【息が白くてもいいということ】 ※現パロ
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探偵モノの表紙みたいだなって思って描いてました。以下寸劇。
「生き別れの兄を探してほしい」
そう告げて現れた青年・花沢勇作は
「花沢さん、他を当たって下さい、うちではそういうのはやってない」
依頼人らしからぬ落ち着きと、それ以上に
「いいえ、尾形さんなら必ず真相を突き止めてくださいます」
不可解な“確信めいた何か”を漂わせていた。
さえない探偵・尾形は警戒しつつ調査を始めるが、
「おはようございます尾形さん!」
なぜか事務所に入り浸る花沢は
「朝食をお持ちしまして、サンドイッチです、あっ、コーヒー抽れますね、新聞はソファのとこです」
助手のように行動し、
「……花沢さん、不法侵入はお断りしたはずですが。俺より先に出勤するな」
「ふふ、まぁそうおっしゃらず」
尾形を苛立たせる。
しかし調べを進めるほど、花沢の語る過去には矛盾が生まれ手がかりは誰かに巧妙に隠された痕跡を残していた。
まるで尾形が真実に近づくことを
「それは……、それは今は言えません」
誰かが妨害し
「けれど、きっと分かる日が来ます」
誰かが望んでいるかのように。
追い詰められるように辿り着いた真相──
「そんなバカな話があるか!」
花沢勇作の兄は“存在していない”。
けれどひとりだけ、残された可能性があるのだとすればそれは
「そんな、そんな訳が……!」
それは他ならぬ、
「そうです、そうです兄様、」
「俺……、が……」
尾形自身だということ。
失われた記憶と向き合うことを強いられる尾形。
同時にその事実を知ったうえでの依頼だったと知り、
「あんたも俺を利用するのか、あいつがしたように捨てるのか」
「違う、違います、そんなつもりは、」
「聞きたくない、もう何も……」
尾形の胸には冷たい疑念が広がっていく。
花沢の目的は再会なのか、
「兄様、俺はあなたを、」
それとも尾形を真相へと誘導するための罠なのか。
過去を隠そうとしている者は誰で、
「何も言わんで下さい、なにも……」
真実を暴こうとしている者は誰なのか。
信じることも疑うこともできないまま尾形は、逃れられない真実へと引きずり込まれていく……。
のやつですね。
じれってえなぁ、さっさとちゅーとかなんとかしちまえよ、どうせ悪いのはコージローなんだから、なぁ?
のやつですね。