君を食べられたら良かったのに
2章 啓蟄/3話 フォークとケーキ
大厄を迎えた旭は、正月早々に事件に巻き込まれる。友人の望洋に厄払いに誘われて近所の神宮に出向いたが、二人が顔を合わせるのには人目を憚る逢瀬の意味があった。
後日、職場の帰り道で旭は自身が遺伝子カウンセリングを担当した男が蹲っているのを発見する。みなとを居酒屋に誘った旭は、彼の旺盛な食欲とすなおな物言いに、彼に強く惹かれていることを自覚する。
ケーキバースの世界で、ケーキでもフォークでもない人間たちによるすれ違い愛の話。
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