いのちのむこう

2024/キャンバス、油絵具/F80号 1120×1455mm


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私にとって最も生命を感じるものが、たまごである。毎日生まれ、毎日消費されるもの。生まれてくるかもしれなかった雛の前景。私たちは、私たちのもとに運ばれてきた結果の卵しか見ていない。親の顔も、きょうだいの顔も見ていない。鶏や雛の目には、私たち人間はどう映っているのか。勝手に妄想して、勝手にひるんでいるだけなのかもしれない。それでも私は、かれらを想いながら卵を食す。「いただきます」と手を合わせ、生まれてくるはずだったいのちを口にする。

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