道中にて
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「そろそろ一休みする?」
前を歩く彼女がそう言って振り返る。
「いや、このまま歩くよ。目的地も見えてきたし、弟くんも早く来いって呼んでいるし」
ひと足先に進んでいた少年が、立ち止まっておーいと手を振っている。
「そう?確かに見えてはきたけど、おじいちゃん家まではまだ結構歩くからね」
標高が高くなってきたからか、村を出発した時よりも涼しい風が吹き抜けていた。