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2026.01.01 12:31

エグシャリ男体妊娠ネタ(小説)

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先日書き殴ったエグシャリ男体妊娠ネタをベースに再構成した小説もどき。モブシャリ描写(行為中の描写はなし)があるので注意。

ベースとなった元の狂いはこれ↓

https://fusetter.com/tw/De0rW48f

※18歳↑y/n


[2025.06.30追記]ルート分岐させる予定でしたが逃亡ルートは原作展開により調整不可能な齟齬が出てしまったので更新終了。後日ハピエンルートの絵を生産します

[2026.01.01追記]ポイピクから移動















めも

メトクロプラミド:制吐剤 妊婦でも使えるらしい

出産方法:普通分娩できる構造の身体ではないので帝王切開。お腹に横向き手術痕が残ってる。

息子の名前:ゼリル(Xhelil) 頭文字X+中間にLiの音を入れるためにこの名前。伏字(■■■)でも良かったけど雰囲気出すために一応考えた


――――――――――



「妊娠してますね」


ここ数週間異様な倦怠感や吐き気に悩まされていた。初めは風邪でも引いたのだろうと軽く考えていたが1週間以上経っても治る気配がない。それどころか悪化する一方で観念して病院に掛かった結果がこれだ。


「私は男なのですが」

「稀に両方の臓器を有していて両方正常に機能している場合があるんですよ、あなたの場合…分かりやすく例えると尿道と精管が分離している総排泄腔に近い状態かな…ほら見てくださいここ、これが胎児です」

腹にエコーを当てながら淡々と医師は話す。理解が追いつかない。


「出産するのであれば通常の…女性の妊娠出産よりもリスクは高くなります。…どうするかはパートナーの方とよく話し合って決めてください」


何も納得できないまま帰され、こんなのは何かの冗談だと渡されたエコー写真を雑に鞄へ入れ病院を後にする。


◆◆◆


調子の悪さは変わらず、後日別の病院を受診してみたが下された診断は1件目と同じだった。内心己の体に毒づきながらあの夜のことを思い出す。


「シャリアさんすみません…」

「ッどう、しました…」

「ゴムが途中で裂けてしまっていたみたいで…ごめんなさい、中に…」

目線を下に落とすと酷い裂け方をしたスキンが目に入る。申し訳なさそうにしているが、そもそも彼のことだ故意ではないだろう。事故ならば仕方がないと片付ける。

「…お腹を壊したくないので今日はお開きでもいいですか?」

「はい…」

「気にする必要はありませんよ。……お風呂でも一緒に入ります?」

「いいんですか!?いつもは嫌がるのに」

「ええたまには。先に後処理だけ済ませるので呼んだら来てください」


破顔した彼につられ、こちらも目元を緩ませながらシャワーハンドルを捻る。

元は一方的に想いを寄せられて無理だと断るも全く諦める気配のなかった彼に、こちらが折れる形で始まった関係だった。そんな始まりだったというのに今ではこれだ。少し優しくしただけで必要以上に喜ぶ単純さを可愛いと思ってしまうのも、それに気分を良くしてつい甘やかしてしまうのも、彼に絆されてしまった故のことなのだろう。


「っ、ぐ…」

洗浄もだがこれは何度やっても慣れないと奥歯を噛み締めながら後ろに指を這わせる。出されたものがローションと混じり流れ落ちる感覚に眉を寄せ耐える。掻き出したものが排水口に飲まれていくのを横目に見ながらふと勿体ないと思った。

彼は見目も性格も良く将来有望な若者だ。彼が誘えば喜んで体を開く女性なんていくらでもいるだろう。こんな年嵩の中古男に引っ掛かっていなければ、今頃真っ当な人と付き合い普通の幸せを享受していただろうに、可哀想な子だ。


◆◆◆


「俺以外も関係持ってた奴ら全員切ってるんだって?本命でもできた?」


行為後の気怠い雰囲気の中ベッドに寝そべった男が問うてくる。プライベートなことは聞かないという約束を忘れたのだろうかこの男は。脱ぎ捨てたシャツを拾い皺になった部分を軽く伸ばしながら袖を通す。


「…ええ、まあ…そんなところです」

「フーン…お幸せに。別れたらいつでもまた連絡くれよ。あんたならいつでも歓迎だからさ」


シャツ越しに無遠慮に這わされる男の手も首筋に押し当てられた唇も不快だと感じる。燻る熱を鎮めるように都合の良い適当な人間と関係を持ち始めてから長らくこんな感覚は忘れていた。


「もうしませんよ」

「妬けるね」



操を立てるつもりなどなかった。元よりそんなものは遠くの昔に捨ててしまっている。ただ不貞を悲しむ彼の顔を想像するとどうも心苦しく、彼の気持ちを受け入れた頃から口に出すのが憚られるような人間関係はすべて清算していた。だからこの腹の子の父親が誰かなど分かりきっている。


知ったら彼はどんな反応をするだろうか。


どんなに好きだ愛してると言っていようと子供が出来たとなれば話は別だ。彼はまだ若い。ましてや交際相手が男でそんな話が出るなど露程も思っていないだろう。それに"これ"は彼の将来を確実に狭めてしまうものだ。彼のためを想うのなら知らせるべきではないだろう。


ーーーーーーーーーー


〈分岐①-1:エグザべに妊娠が露呈する〉

≫家族円満ルート(HappyEnd)


折れ曲がったエコー写真を手にする彼を前に数分前の己を殴りたい衝動に駆られる。あれは確か1件目の病院で妊娠を告げられた帰りに雑に鞄へと放り込んだものだ。自身で見返すこともましてや誰かに見せる機会などなかったあれはおそらく底にでも押しやられていたのだろう。長く続く不調で判断力が鈍っていたとはいえこんな失態を犯すなど。



悪阻が酷く部屋に備え付けられているトイレで蹲り動けなくなっているところに折り悪く彼が来た。そういえば今日会う約束をしていたのだったか。連日食べては吐くの繰り返しで碌な栄養も取れず上手く働かない頭で過去のやり取りを思い返す。


「シャリアさん!? どうしたんですか顔真っ青じゃないですか」

「心配には及びません、それよりこんな状態ですので、来たばかりで申し訳ありませんが今日は帰……っ、…ッウ……ッ…ッ……」

胃の中が空で吐くものがない。上がってきた胃酸に喉を焼かれ噎せていると、いつの間にか隣に腰を下ろしていた彼に背中をさすられる。温かい手だ。不調とストレスで冷え切った体の強張りが彼の体温で少しずつとかされていく。


「大丈夫じゃないですよね…何か助けになれることはありせんか?」

「……ありません、帰ってください」

「帰りません、こんな状態のあなたをひとりになんてさせられません」

こうなった彼は簡単には引き下がらない。普段はとても聞き分けが良く、そこを好ましく思っているというのに、こんな時だけ妙に頑固になるきらいがある。

こんなみっともない姿など見せたくないんですよと、喉で詰まった言葉は嘔気に遮られ出ることはなかった。


「…では、」

机のある方向を指差し置かれた鞄から薬を取ってくるよう彼に指示する。それで一旦納得したのか背中に置かれた温もりが離れていく。



懈(たゆ)げに壁へ体重を預け彼を待つも薬を取りに行っただけだというのにやけに戻りが遅い。薬は確かに鞄の中だったはずだが、何かあったのだろうかと重い腰を上げる。


「エグザべくん?」

「………シャリアさん、これ……」

彼の手元にある物を見留めて思わず固まる。彼にだけは決して見られてはいけないものだった。流石にそれが何なのかくらいは彼も知っているだろうし、この手のものには大抵患者名が印字されてる。こちらの不調の理由を察したのであろう彼から困惑の色が見て取れる。この状況で言い逃れは難しいかと諦めて溜め息を吐いた。

「お察しの通りですよ。男の身でこんな事になるとは正直驚いていますがね」

「あの…」

「はい」

「……僕の子ですか?」

「そうですよ」


大きな目を見開いた後、何かを言いたげに目線を泳がせてあーとかうーとか意味を成さない声を発する彼を相変わらずよく表情の変わる子だなと思いながら次の言葉を待つ。真剣な顔をしようとしたのが見て取れたが、すぐに耐えきれなくなったのか口元がへにゃりと緩む。

「すみません…、つい……」

口元を両手で隠し一瞬気まずそうに目線が逸らされたがすぐにこちらの手を取って向き直り、嬉しさを隠しきれないというような顔を向けられる。これは全くの想定外だったと天を仰いだ。同時に彼の感情が波のように流れ込んできて思わずあてられそうになる。


「シャリアさんが嫌でなければ産んでほしいです…それで、その子と一緒に僕と家族になってくれたら嬉しいな…なんて、だめですか?」

「…プロポーズですかそれ」


「…………っ、そう取って頂いて構いません!!」

自覚がなかったのか指摘をされて耳まで赤くした姿がなんともいじらしい。予想外の事態を受け入れられずにいっそ彼から手を離してくれたらーーいや真面目な彼のことだ。自分の子どもができたとなれば責任を取るなどと言い出しかねないとまでは考えていたが、まさかこんな反応をされるとは。真っ直ぐに見つめてくる彼のまなざしが眩しくて目を伏せる。この手を取ることは彼の将来の枷となることと同義だ。

(それはいけない。彼のような人は真っ当な幸せを手に入れるべきだ。私がいてはーー)

不意に取られていた手を強く握られ、目線を上げると彼は哀しみを滲ませたような目をしてふるえていた。


「…きこえてしまいましたか」

「はい」

「…でしたら私の想いは解って頂けましたよね」

「解りたくありません、僕の幸せは僕が決めるものです。少しでも気持ちを傾けてくれているのなら、どうか頷いてくれませんか…あなたがいない人生なんてもう考えられないんです」


どうあっても引く気はないようだ。

ふと、以前もこんな風に粘られ続けてこちらが折れたのだったなと思い出す。今回とてどんな理由をいくら並べたとしても彼が諦めることはないのだろう。

若者が一時の気の迷いであげた熱が冷めるまでの関係のつもりだった。だというのに彼の心に深く触れるうちに持った愛着を手放し難くなってしまった。それでもいつかはと言い聞かせてきたがーーこの子が共に在る未来を強く望んでくれるというのなら


「責任を取って幸せにしてくださいね」


◆◆◆


中々来れなくてごめんな。最近バタバタしてたんだけど、ようやく話が纏まって落ち着いたから今日は報告に来たんだ。…僕結婚してさ、シャリアさん…相手のお腹には子どもがいて来年にはパパになるんだ。お前が?って言うだろうな。普通…とは違うかもしれないけど誰かを好きになって結婚して親になるなんて僕も想像してなかったよ。あの頃はそんな事考えられる余裕もなかったし。

結婚相手はさ、元上官なんだ。先の戦争の英雄とか最強のNTとか肩書がもう凄まじい人で、あの人の下に就いてた頃は僕も散々無茶振りされたりしたけど何かあるといつも助けてくれたり声を掛けてくれたりしてさ、その優しさが嬉しかったんだ。それで気が付いたら好きになってた。忘れられない人が居るって言われて何度も断られたけど諦められなくてそれでも良いなんてつい格好つけちゃったんだよな。けどそれで恋人になってくれてさ。本音を言うと複雑ではあったけど、隣にいる事を許してもらえた事が幸せだったなぁ。

でもその人は僕が飽きるまで付き合ってあげようくらいの気持ちだったみたいで、僕と別の人との将来の話をされたりしてさすがに折れそうになったよ。あの人善意で言ってくるから余計にさ。……子どもが出来なかったらその人はきっと遠くない未来に距離を置いて僕の人生から姿を消してたと思うし、僕もそれを止められなかったと思うんだ。それが怖くてしょうがない。だからこの幸運に感謝しないとな。

そうそうここ最近料理するようになってさ。結婚してから相手の人の料理のセンスが壊滅的だって事が判って、食事の用意は僕の担当になったんだ。元々軍の配給とか食堂で済ませてて休暇中は外食かデリバリーだったみたいで、本人も初めて知ったみたいで。初めの頃は頑張って克服しようとしてたけど全然駄目でショック受けてて。大抵の事は完璧にこなせるシャリアさんにも出来ないことがあるんだって驚いたな。

僕も自炊経験なんてあまりなかったから初めのうちは焦がしたり生煮えだったりで散々だったよ。正直自分でもかなりヤバイ出来の物もあったんだけど、シャリアさんは何も言わずに食べてくれてたんだよな。そういうところも優しい人なんだ。



…あ、もうこんな時間か。近況報告のつもりだったのに惚気ばかりになってごめんな。もう行くよ、また来るな


[共同墓地にて]