丘の上の紅茶館と鉛色の空の下の秋の色の記憶(Have a tea under the sky colored the late autumn colors)

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(ある旅行者の手記より)

「鉛色の雲に覆われた空の下、

木々の葉を揺らす冷たい風は、

年間を通して温暖な

この「唄う港町」にも

冬が近付いている事を

報せていた。


眺めのいい丘の中腹にある

舶来品の紅茶の缶を転用した

ここの紅茶店では、

秋の散策や街歩きの合間の

ほんの一時の休憩に

立ち寄る人々で

賑わっていた。

店内では、

様々な種類の紅茶を

取り揃えているのだが、

今のこの時期は

シナモンティーが

一番の人気なのだそうである。

薪ストーブが置かれている

店の外では、

カモメの水兵達が、

休憩がてら

紅茶を楽しむ姿が見られた。


市街を一望する事が出来るこの丘からは、

街路を黄色く染めるイチョウ並木や、

クリスマスの準備や飾り付けで

忙しない様子の中心街、

冬の装いに身を包んだ

臨海地区の高層ビル群や、

その前で離発着をしている

有翼船の姿が見えた。


階段を下りてすぐの所にある公園では、

園内に彩りを添えていた花や植物達が、

寒さを避けるべく、

且つてはディスプレイケースだった

温室植物園の中で

過ごしていた。

それらと入れ替わるかのように、

木々はすっかり色付いて、

公園を秋の色に染めていた。


―この街に初めて降り立った日も

丁度このような感じの日だった。


ほんの一時でも

僕がこの街に存在していた時期があったと言う事を

示すものは恐らく何一つ残っていないだろうし、

流れ着いてはまた旅立って行った

数多の異邦人達と同様、

ただ通り過ぎて行っただけの僕の顔を

覚えている人もきっと誰一人居ないのだろう。


秋の色に染まった木々と

クリスマスの装飾に彩られた街、

シナモンティーの味と香り、

そしてこの鉛色の空の色も、

今となっては

あの頃確かに僕はこの街に居た、と言う事の

頼りない記憶を呼び起こす

微かな手掛かりに過ぎなかった。


ラジオの天気予報が

明日は山沿いで初雪が

観測されるでしょう、と

告げていた」



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Around the tea house in the town

shrouded in thick clouds at the end of autumn,

one could see trees dyed in autumn colors

and the town bustling with Christmas preparations

—just like that day.


(※DeepL翻訳を使用・一部改変しております)

(DeepL translation used and partially modified)


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完成後にA4(210×297)サイズ程に

切り取った水彩紙に、

水彩絵の具(、顔彩、ポスターカラー)、水彩色鉛筆で

描いたもの。


※この作品・本文の内容は 実在する個人・団体等とは一切関係ございません。


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