11
天を突き刺すように真っ直ぐと伸びる黒い裸木。
そこら中に生えた赤い草花はまるで飛び散った血飛沫のよう。
先ゆく黒猫が目を細めて言った。
「引き返してもいいんだよ」
すかさず少女が首を振る。
「引き返さないわ。これが私の選んだ道なの」