そこは有り得なかったはずの夢の続き。少女は常世に消えた少年を想う。

何もかわした誓いはなかった。ただ、待っている、とだけ伝えた。

この世のものではない少年を本当は知っていた。それでも少女は、失くしてしまう絆に目をふさいで、禁じられた黒い闇の奥に踏み込む。

少年はずっとわかっていた。温かさに満たされた此処は、己が在ってよい世でないと。

欲しいなら、奪えばいいだけ。少年を縛る黒い翼がそうささやく。

何を望み、何のためにここまで来たのだろう。

全てがどうでもよくなってしまう。求め続けた少女を前にすると――

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