4. 愛

愛している、という言葉はひどく重く自分の脳裏に確かに突き刺さる何かを以て、私の心に渇きを齎しました。それを受け取ることは憚られましたし、明滅する映写機のように脳裏に浮かぶ光景がありました。自分は確かに、愛という言葉とともに生まれ、それを注がれることで育まれました。故にそれを善とし、それに従い、神すら裏切って、そのために死んだのです。愛するということは、私にとってとても難しい存在証明であり、それを花束のように易々と差し出されることが、いっそ悍ましいようにも感じたのです。

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