愛し方が分からない

精一杯のアプローチ

サツキが寝入ってしばらくしてから飛段を殴り起こし、アジトへ戻った。移動中なお眠り続けているサツキを本人の部屋で寝かせ、ついでに服も寝巻きに変えさせてやる。誰よりも細くてか弱い、肩も腰も握れそうだ。欲情しそうになるが何とか抑え、自分も寝ることとした。

足音がしたのでそれを見ると、その主はサツキだった。よく気配を消してからかっていたが、今回は気付いたようで成長を感じる。

いつものように添い寝しようとすると、今更羞恥して共に寝ることすら戸惑っていた。無理にさせてみても固まったままで、いつものように甘えては来なかった。その訳にそれもそうかと納得しようにも、どこか寂しい気もする。いや仕方がない、サツキには経験がないんだ。

諦めをした時、サツキから口付けをしてくれた。驚き以上に心が踊った。思わず本能で情愛を返してしまうが、今のサツキには受け入れられないようだった。少し落胆したが、サツキなりに頑張った結果だろう。それならば、それで構わない。

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