旦那の転勤にともない、引っ越してきた家。
会社借り上げのその家は築年数こそいっているが、リフォーム済みで広く、一千花は気に入っていた。
しかし生活に慣れていくにつれ、家を見る周囲の人間の目がおかしいのに気づく。
ある日、近所の喫茶店で耳にしたのは、住んでいるのが曰く付きの物件だということだった。
調べれば調べるほど出てくる、この土地の曰く。
しかも噂を証明するかのように一千花は、北向きの部屋で蠢くなにかを目撃してしまう――。
※一部、残酷描写があるため、R18設定にしています。
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私を抱いたあとに平気な顔で花嫁との永遠の愛を誓う。私の好きな男はそういう男だ。