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2025.01.03 08:00

【試合の感想】球詠第101球 連合戦2

▼埼玉県大会二回戦 連合vs新越谷

 ※第101球は赤い枠の範囲。水色セルは出塁、赤色セルは打点発生。


第101球、夏大会連合戦の続きです。

前話の感想はこちら


今話は連合チームの内部事情からお話が始まります。


高校野球は各学校ごとにチームを組んで大会に臨むわけですが

部員数が9名に満たない学校は単独で出場ができません。


そうした部員の少ない学校が寄り集まって1チームとなることで大会に出場ができる、それが連合チーム制度です。

寄り集まるため集合練習できる時間はかなり限られますし

そもそも「どこと組むのか」がなかなか決まらず、結局試合中もみんな人見知り状態というケースもままあるようです。

リアルの埼玉県大会では昨年、4校で結成された連合チームが出場していました。

連合は昔からある珍しくはない制度ですが、少子化と野球人口の低減のため年々連合チームの数自体も増えてきている印象です。


さておき、今回の神川・上里・長瀞の連合チームについては結成自体は数年前とのことで、

練習風景の描写では学校の垣根なく会話しており、まるで単独校のように仲良くやっているようです。

頭脳派の上里に至っては、神川にいる内村さんの存在を把握して早々にアプローチをかけていました。

そのおかげで、樋口さんの壁ドンからの土下座で内村さんは無事陥落(?)、最大の戦力補強に成功しています。


そんな連合も三年生がいる以上、三年卒業後は更に人数が減るわけで、

来年この三校での連合は解散、再編成が決まっているとのことです。

そんな切ない話を聞いたら連合を応援したくなってしまうじゃないですかプクイチ先生。ガンバレ連合…。


さて試合です。

今話の試合は三回表、連合の攻撃から。


三回表、連合は投手大田さんから始まり三者凡退。

三回裏の新越谷は2アウトのあと、怜がサード強襲(※おそらく安打扱い)、

続く菫のセンター前ヒットでチャンスを作るも光の打球は運悪く二塁手高濱さんのグラブにおさまり2者残塁、と

しかし少し風向きが変わり始めます。


四回表、連合は前の打席で2ランを放っている内村さんから。

大場さんの予想は外れ小町珠姫バッテリーは勝負に。第91球でヨミから直伝された「指先にかかってキモチイイ」強直球で三球三振。

小町は気持ちいいことが大好き。

その小町の強直球は、第91球の総州学院戦であったように適度に荒れて打者が狙いを絞りにくい上に球威があるという打者からすると厄介な球です。

さすがのフィジカルモンスターも手も足もでませんでした。


唯一の強打者内村さんが一年生投手に三球三振に打ち取られた姿を見た連合は焦ります。

2~3点とって先行逃げ切りは予定通りですが「あわよくば追加点…」という夢想は、

現実の戦力差を目の当たりにしたことで霧散してしまいます。


四回裏、新越谷は理沙、そしてタマちゃんが連続でヒットを打ちます。

いずれも連合の焦りからくる自滅のミスが絡んでおり、

これは、プクイチ先生の具現化である芳乃(←コラ)が言う通り「小町珠姫バッテリーの好投が連合に与えたプレッシャー」によるもの。

それはとうとう大田投手にもおよび、悪送球から理沙が軽やかに本塁へ生還して、新越谷に1点が入りました。

なお、稜ちゃんは犠打成功の扱いとなるも、大田さんの失策による得点となるため、稜ちゃんに打点はつきません。

※「その失策がなくても本塁へ生還できたかどうか」が打点がつくかつかないかの判断基準のため。


この悪送球の間に、三塁にタマちゃん、二塁に稜ちゃんが進んでおり、新越谷はまだノーアウト2、3塁。

続く詩織以降で同点さらには一気に逆転の目が出てきました。


ここまで健闘している大田投手。

新越谷凡打の山の理由はやはり見たことがない角度からの投球でしたが

それに加えてリリースポイントの話が解説されています。


前回の感想で「カットボール的な変化球があるのでは」と私は推測しましたが、

大田さんはそうした変化球は持っていないようです。


打者は普段から様々な球速帯の球を見ており、このくらいの球速ならこのあたりで届くという肌感覚を身につけています。

ところが、その普段とは異なり、大田さんはリリースが他の投手より早く、さらにより高いために、同じ球速でも打者に届くまでの時間がわずかに長くなって、

結果、打者はワンテンポ早くスイングをしてしまうことになっていたわけです。


ここまでを大場さんが把握してスカウティングしたのかは分かりませんが、

大田さんはあまり実力がないがゆえ(失礼)、逆に強豪である新越谷の打者のタイミングをずらすことに成功していました。


しかし三回まで来るとさすがに芳乃や詩織たちはこのことに気づきました。

相手にあわせてワンテンポ、スイングを自重するのか、あえて普段通りのスイングで強行突破するのかは各自にゆだねられましたが

大田投手が「特別な球を持っているわけではない」ことを理解したことで、一転今度は打ち頃の球となるため、

新越谷の逆襲は時間の問題となったと言えるでしょう。


大場さんは早めに投手交代をすべきか悩んでいます。

交代となるとおそらく自称本格派の樋口さんの登板となるでしょう。

しかしまだ四回ノーアウトの状況です。勝つためにはあと4イニングもゼロで抑えなければなりませんから、早々の登板はかなりリスクがあると言えます。

まだ打ち損じてくれることを期待して続投か、しんこし打線の慣れをリセットさせるために交代か。

別途、頭脳担当の上里の考えもあるかと思いますが、さて果たしてどのような決断があるのでしょうか。


※第101球時点連合チーム選手まとめはこちら