緑龍 ヒスイ
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3番目の絵画、『緑龍』のヒスイ。
竜種の絵画で、他の絵画よりも人間味が薄く感覚は人外寄りになっている。
人間に擬態しようとしているが、上手く出来ないので尻尾は出っぱなしになっているし腕もたまに竜の腕に戻ってしまったりする。
左眼の眼帯はオッドアイで、人間に怯えられる為眼帯で隠している。
身体に付いた鎖は人間に捕縛されていた頃の名残で、わざわざ取るのが面倒なのでそのままにしている。
『どのような傷でも癒す』能力で、精神的な傷でも治す事が出来る。
代わりに治した部位の感覚が一時的に無くなってしまう。感覚が無くなる時間は治した傷の程度によって変わる。
個人や性別の区別があまり付かないので、人々は「人間」と呼び、絵画の事は全員「兄弟」と呼んでいる。
5番目の絵画が生まれる前辺りで現世に降り自由に飛んでいたが、人間に恐れられ捕縛されて地下に数千年間閉じ込められた。
落ち込んでいると思いきや閉じ込められても飯が出てくるなら良いや! 精神で意外と楽しく過ごしていた。
地下は洞窟のようになっている為、何も無くて退屈だからと掘削し腹が減ると天井頭突きノックして人間に飯の催促をしたりしていたので特に苦労せず数千年生きている。
魔女に国を滅ぼされた後催促しても飯が出てこず、不思議に思ったヒスイは鎖をちぎって外に出て初めて現状を知る事になる。
「なんっっっじゃこりゃ !?!?!? 更地じゃねえか !!!!!」
豪快、脳筋、軽快な性格。
細かい事(ドラゴン規模)は気にするな! 精神で生きているので捕まっていた事もそこまで気にしていない。
ただ地下暮らしよりも地上暮らしの方が断然楽しいと気付いてしまったので地下に閉じ込められるのはもう嫌だなと思っている。
食事が好きなので美味しいご飯が作れるアルマの事を気に入っている。 が覚えられないので「金髪の兄弟」呼び。
戦闘時は素手、もしくは一時的に竜の姿になる。
絵画は人型で描かれている為、とある縁を辿って魔力を消費することで竜の姿を形成している。
能力自体は戦闘向きでは無いが、竜種という事もあり戦闘にも普通に参加出来る。
その気になれば人間姿のままブレスも吐いてくる。
元になったモデルは神々が拾って可愛がっていた緑龍。
人類に幸福と癒しを授けていた神龍(神の寵愛を受けた竜の総称)だったが、ある日欲深い人間に撃ち落とされ生きたまま捕らえられた後その力を搾取された。
そのまま地下で飼い殺しにされかけていた所に厄災の神が助けに来たものの、力のほとんどを奪われた緑龍は再び天空を見る事も叶わずそのまま力尽きた。
『可哀想な緑龍。 あんなに綺麗だった鱗もこんなに穢されてしまって ……… お前は、人間を恨んではいけないよ。 純粋で美しいお前を死竜なんかにさせるものか。 あたしが代わりに恨んであげるから、だから安心してお前はお逝き。』
その後、深い悲しみに囚われた姉を少しでも元気付けるべく描かれたのがヒスイである。
厄災の魔女はヒスイに対して他の絵画とは違う反応を見せ、ヒスイも厄災の魔女を友と呼んでいる。
魔女の行いは自分のせいでもあるから責任を取らねばという気持ちと、友人が悪さをしているなら止めてやるのが友情だ精神がある。
ヒスイは緑龍の記憶を多く引き継いでいる。天界での記憶、現世を飛んだ記憶 ... そして人間に捕らえられ、命が尽きるまでの記憶。
それらはヒスイの自我を形成する際に少なからず影響を及ぼしている。
彼は心の底では人間を恨んでいるが、友人との約束に加えて今の人間は絶滅しかけており、それを兄弟達が必死に解決しようとしているのにオレ個人(竜)の感情で放置するわけにはいかないとアルマ達に協力する事を決めた。
身長:180cm(擬態が下手なのでよく変わる)