褐色の肌に、細く柔らかな黒髪を左前側でゆったり結んだ男性。

口数は少なく無愛想。口を開けて笑うことはまず無い。

右眼は森の緑、左眼は空の色。能力発動時のみ空色は紫に変わる。

リンデルとの年齢差は20歳。

ロッソとは9歳差。

遠い異国の失われた国より、たくさんの犠牲を払って逃げ延びてきた、王族最後のひとり。

生まれた際、オッドアイ（に宿る力）を理由に秘密裏に殺されそうになるものの、父がそれを良しとせず生き長らえる。

けれどその後の不幸の連続に、すっかり自身が不幸を呼んだと、自身は呪われていると思い込んでいる。

逃げ続けていた14歳の頃、山道で盗賊に襲われ、家臣も未来も人としての尊厳も、全てを失う。

嗜虐性の高い歪んだ性癖のゼフィア（盗賊の頭）に拾われたことも不幸なら、身体の丈夫な民族故の回復力を酷く気に入られてしまった事も不幸。

今の名は、本名をいつまでも名乗らなかったせいでゼフィアに勝手に付けられ定着した。

命にかえてもリンデルを真っ当な道に返してやりたかったために無茶をして、右腕を半分以上失っている。

30歳以降は右腕が肘の少し上までしかない。

その後も魔物との最終戦の際に、リンデルのため術を限界まで使用して左眼を失明。

53歳以降は片目を布で覆った姿が多い。