よくある政略結婚、時々ある「お前を愛することはない」という宣言。
政略絡みの婚約を結ばれたその日、メリアは婚約者となったはずのデビッドから、居丈高にそう宣言された。
これが貞淑で殊勝な淑女であれば、粛々と受け入れて悲嘆に暮れるところ。
しかし反骨精神旺盛なメリアは、このまま受け入れるなどまっぴらごめんと決意する。
かといって、家同士が結んだ婚約、解消するだけの利を生み出さねば話にもならない。
そこでメリアが目を付けたのは、デビッドが入れあげている言わば不貞の相手、ソフィアだった。
彼女が婚約者に選ばれなかったのは、ひとえに家の旨味がないから。
であれば、それを持たせればいい!
そう考えたメリアの申し出に、家の窮状を憂うソフィアも乗ってきて……話は、思わぬ方向へと転がりだしていく。
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