連結器いろいろ
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今回のお題の「連結器いろいろ」ですが、案外すんなりとテーマは決まりました。多分、皆さん、ひねった連結器を描くのだろうなぁと思いつつ、私787.TSUBAMEは、逆に思いっ切りストレートな連結器を描いてみました。問題は作成時間。今月は非常に忙しくて、締め切り間際まで完成できない状態でした。(^_^;)
今次(※注、08年3月)のダイヤ改正で関西対九州ブルトレが全廃され、名門急行の銀河も廃止、北のブルートレインも縮小と、客車列車を取り巻く情勢に明るい話題はひとつもありません。
特急貨物用電機として生を受け、東京対九州ブルトレの牽引機として抜擢されたEF66が「関」と「流れ星」の区名札を掲げて走る姿を見ることが出来るのも九州新幹線の全面開業まででしょう。
まるで右手で握手をするような、機関車と客車ががっちりと結ばれた自動連結器を見ることが出来る時間は、残り少ないような気がしてなりません。
描いたのは絶滅危惧種の九州ブルトレ、EF66が牽引する25系寝台特急です。
イラストは特定の列車を描いたものではありません。元ネタは、以前私が撮った下関駅で待機している上りのあさかぜ2号ですが、とにかくブルートレインを描きたかった、その気持ちでいっぱいです。牽引機がEF66だから直流区間ですが、「九州」ブルトレですよ、九州!
今回は主役を引き立たせるため、流し撮り風にしました。スピード感と力強さが伝われば幸いです。
実は295号の中井さん(※注、レイルマガジン誌のイラストコーナー常連さんのひとり)のイラストに対する担当さんのコメントに激しく同意です。併走時に見る隣りの列車の台車のメカニカルな、いや生き物みたいな動きは私も大好きです!そんな雰囲気も伝わればと思っています。
初出:ネコパブリッシング社「レイルマガジン」誌2008年6月(#297)号、キャプション執筆は、2008年3月7日です。