リューディア
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闇と静寂を好む大冥神。
大天神・セラフィーナとは姉妹であり、リューディアは妹にあたる。
セラフィーナの創り上げていた「天界」にしばらく留まっていたが、いつも賑やかで光溢れる世界での暮らしはリューディアにとってだんだん居心地が悪くなっていく。
もっと落ち着いた静かな場所で暮らしたいと願った彼女は、とある酒宴の席が終わった頃にこっそりと天界を抜け出すことにした。
姉と同様に新たな存在を創り出す力を持っているリューディアは、宇宙に新たな世界である「冥界」を創り出す。
そして気持ちを吐露できる存在がいなかった彼女は、自身の持っている燻ぶった想いの数々を「冥神」として具現化することで心の昇華を図ることにした。
結果として様々な冥神が創り出され、リューディアの心は落ち着いたものの、今度は冥神たちの活動が活発になったために冥界が少々騒がしい空間になってしまった。
「この場所のことは此奴らの好きに任せよう」と決め、彼女は再び宇宙を彷徨って安住の地を探す。
そして生命体の存在していない手頃な大きさの惑星を見つけ、その地中深くでゆっくりと深い眠りに就くのであった。
この惑星は後に多くの生命体が闊歩し、「惑星ルーイン」と呼ばれることになる、などとは夢にも思わずに……。
常に眠そうな姿勢を崩さない、ダウナーな性格。「何かをするくらいならとにかく寝たい」という、ある意味非常に明確な指向の考え方を持つ。
もともとそのような性格なのだが、冥神たちの創作活動は想像以上に疲れたようで、現在はその疲労を回復する期間としている。(もっとも神たちの時間間隔は人間のものとは相当にかけ離れているので、いつまでが休憩期間なのかは皆目見当がつかない)
そのため、普段以上に気だるさに磨きが掛かっている。
その実力は戦闘面でも折り紙つき……とは思われるが、上述の通りとにかく面倒ごとを嫌うため、彼女が誰かと戦う姿を見た者はいない。
少なくとも常人が気づかないものを察知する能力は高いようで、ヒティに対し「アマットはお前にとって単なる従者ではなく、非常に大切な存在だ」とほのめかしている。