公開投稿
2025.11.05 05:55
『お昼寝』メイキング~清書編②~
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『お昼寝』の、イラストメイキングです。
前回の記事『清書編①』の続きで、今回は『清書編②』となります。
『清書編①』では人物に焦点を当ててメイキングを書いたので、『清書編②』では背景に焦点を当てていきたいと思います。
前回同様、清書途中の画像が残っておりません。
今回も、清書後の画像とカラーラフの画像を比較しつつ、どこを意識して清書していったかを説明していければと思います。
今回も前回の記事同様、ご依頼人様のお子様(オリジナルキャラクター)を「🐏くん」とお呼びしております。
使用しているペイントソフト:CLIP STUDIO PAINT
メインに近い背景を整える
説明する前に、背景のみのカラーラフがこちらです。
差分が関係ないところから整えていきます。
まずは、今回のメインである🐏くんを乗せているという大役を務めるソファとクッションを整えていきます。
私は、ソファとクッションが準主役だと思って描いてます。
◆ソファ・クッションを整える◆
分かりやすいよう、ソファとクッションだけにしてみました。
見えないところは、だいぶテキトーに描いてるということがバレてしまいますね…!!(ソファの上の方欠けてるし)
カラーラフでは素材をそのままなぞっただけのソファでしたが、清書では、少し形や雰囲気を変えてより「🐏くんが選んだ🐏くん好みのソファ」(私の妄想)という感じを出していきます。
クッションも、だいぶテキトーな形なので清書で丁寧に描いていきます。
清書の仕方はほぼ『清書①』と同じなので、そこは割愛して「どう考えながら清書したか」というところをメインに描いていきたいと思います。
清書したものがこちらです。
ソファ・クッションのサイズや形も変わりましたが、一番の変更点はソファパッドが追加されたことですね!
並べるとこんな感じ
カラーラフに比べ少しぼんやりとした見た目になってるのは、全部表示したときに🐏くんの顔に目が行くよう主線の色をあまり目立たない色にしてるからだと思います。
ソファの大きさは、パートナーさんと2人で座った時に広すぎず狭すぎずを意識しました。ひじ掛けと背もたれの部分の厚みが足りなかったので、少し太くしました。この時、デザインを少し変えてます。🐏くんは角ばってるものより丸みをおびてるモノの方が好きかなと思い、ひじ掛けの部分は丸みを強調しました。
クッションは、使う人が好みそうな生地を想像して塗りました。
パートナーさん(赤色)はジーンズのような硬めの生地、🐏くん(緑色)はふわふわなベロア生地のようなものを想定してます。
赤いクッションの「k」の頭文字は、CLIP STUDIO PAINTにもともと入ってるフォントからオシャレそうなのを探して形をとりました。清書で🐏くんの位置を少し変えたら「K」の字が見えなくなったので、位置を左下から右下に移動してます。
緑色のクッションは、🐏くんのワッペンが最初の位置だけだと暗くなってしまったので、見えやすい位置にも増やしちゃいました。実は顔がそれぞれ違います(*´ω`*)。
デザインは自分で考えましたが、想像だけで塗ると説得力に欠けるかなと思い、それぞれクッションの画像を探し、しわの付き方や生地の感じを観察しながら清書しました。観察、大事…!!
◆ソファパッドを描く◆
なぜソファパッドを追加したかという説明の前に、まず🐏くんを表示させた全体の絵をもう一度見ていただきたいと思います。
分かりやすいよう、パートナーさんの影は抜きました。
ソファの白とセーターの白が同化してしまい、🐏くんのシルエットが分かりにいかなと思いました。可愛い子は目立たせたい…!
🐏くんのシルエットを目立たせるため、ソファの色を変えるというのも考えました。
が、「🐏くん=白い家具」と私は強く思っているので、どうしてもソファ自体の色は変えたくない…!!
代替案を探してネットサーフィンしてたら、ソファパッドという存在を知ることができました。
白いソファを変えることなく、🐏くんのシルエットが分かりやすくなる!
緑色のモノなら、🐏くんが使ってても違和感がない!
ということでソファパッドを導入しました。こんな素敵なものがあったのね…!!
並べてみたのがこちら
🐏くんのシルエットが分かりやすくなり、ソファの座面も分かりやすくなり、絵全体も引き締まった印象になったと思います。ソファパッドの柄は、緑一色だと味気ないし、ショートパンツとタイツは白い生地の方が映えると思ったのでこのようになりました。同じ緑でも、クッションは明るめの緑、ソファパッドは暗めの緑と変えて、クッションの形が分かりにくくならないよう意識しました。
絵を全体で見た時にふわふわに見える様、あえて粗めに塗ってます。 メインから遠い背景を整える
準主役のソファとクッションを整えたので、次に🐏くんを囲うように配置されてる植物たちとソファの下を清書していきます。
◆植物を整える◆
植物も3D素材をそのままなぞっただけの状態でしたので、こちらもいくつか写真を参考にしながら清書していきます。葉脈の付き方、葉の色、影の落ち方を特に見ながら描きました。
サイドテーブルは、カラーラフでは鉄製の脚だったので木製に変えました。
なんとなく、🐏君は木製の家具の方が好きかなと思って。
土は、説得力が上がるといいなと思って昔私が撮った写真の画像をほんのり乗せてます。
あまり目立ちませんが…。
でも、新しい試みでちょっと楽しかったので良しとする…!!
こんな感じの写真の、土の部分とか使ってました。
いつかCLIP STUDIO PAINTでペン先やテクスチャの素材に使いたいなと思って撮り溜めている砂利や木目や壁のアップ写真がいっぱいあるのでね…。
ちょっと使ってみたかったんだ…。
撮るときは楽しいのですが、多分実際に使ったことあるのは2桁もないと思います。
いつか活かせたらいいな。
カラーラフの時点で白かったお花は、赤い花に変えました。
🐏くんの顔の方に視線を集めたかったからです。
上の画像は、清書&カラーラフの画像の上から真っ白に塗ったレイヤーを合成モード:カラーにして表示したものです(彩度を0にするのとは、少し印象が変わります)。
なぜそのやり方で確認してるかは、長くなるので最終調整の時にお話しします。
カラーラフだと、色の濃い部分が上の方に偏っているため、顔に視線が行きづらいかなと考えました。(葉っぱの色も、その考えのもと色を若干薄くしてます)
また、一番この中で色が鮮やかなのは赤色かなと思ったので、🐏くんの顔の近くにも鮮やかな色を置きたかったというのもあります。
主線の太さが違うので比べづらいと思うのですが、カラーラフに比べて清書の方がぱっと見で自然に顔に視線が行くと思います。そうであってほしい。
しかし、白い花を赤色にするのは葛藤がありました。
ソファパッドの時にも述べましたが、私は「🐏くん=白い家具」と考えていたため、家具ではないですがその象徴の1つでもある白い花をなくしてしまうのは解釈違いだと(私が勝手に)感じてました。
でも、ふっとそこで思いました。
(パートナーさん=赤色なら、パートナーさんが大好きな🐏くんは赤いものも買うようになるのでは…?)
(白い花と赤い花の寄せ植えを見て、自分とパートナーさんを重ねて嬉しくなって買っちゃうのでは…?)
🐏くんはパートナーさんよりすこーしだけ身長が高い設定と聞いてるので、寄せ植えでは赤い花より小さい白い花を見ながら、
「実際は、俺の方が大きいんだけどね!」とか言いながらパートナーさんにどや顔して呆れた目で見られて欲しい…。
そんな理由で、白いお部屋に赤色が増えていっていたらとても…こう…尊いなと…!!
という妄想を経て、白いお花は無事(?)赤色になりました。
◆スリッパを整える◆
スリッパは元の形とあまり変えてませんが、角の生え方が分かりづらくて羊の写真とにらめっこしながら描きました。カラーラフに比べて、自然な形になったと思います。頭の生え際はカラーラフみたいにもふもふにしても可愛いかなと思ったのですが、お顔と毛の部分の素材が違うということを分かりやすくしたかったので、このような形になりました。
◆床・カーペットを整える◆
床は、主張を抑えたかったので見えてる部分は少しかすれさせました。
カーペットは、ソファパッドの要領であえて粗めに塗ってます。存在感は欲しかったので、床に映る影はややしっかり目に付けました。
最期に、パートナーさんの影を整え、グラデーションマップで色を調整したら1枚目の清書は完成です。
パートナーさんの影は、プレゼントの袋の存在を分かりやすくしたかったので大きくしました。カラーラフの時よりも、距離も近く感じるかなと。
差分の2枚目までこの記事でまとめてしまいたかったのですが、やはり長くなってしまったので次回に持ち越したいと思います。
良ければ、次も読んでくださると嬉しいです。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(*'▽')。