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2024.01.01 01:19

出張編集部に行ったはなし

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※文字書きの方で、東京コミティアの出張編集部が気になってる方がいるかと思ったので、OFUSEの記事をこちらにも転載します。

 今回は2023年2月25日の記事です。



突然ですが、このところコミティアに行く度に出張編集部に行っています。

コミティアの出張編集部というと、マンガの受付がメインですが、たまに小説も見てくれる出版社さんがいるので、それをめざとく見つけて突撃する感じです。

すでに3回ほど出張編集部に行っているので、そのときに言われたアドバイスなどお話ししていきます。


まず1回目の出張編集部。

このときはあまり長いお話を持って行っても読むのが大変だろうと思って300字SSの本を持って行きました。

結果として、あまり反応は芳しくなかったですね。

作品への言及はあまりなく、どういったテイストのものを書くのが得意かと言うことを訊かれました。

まあ、てんでバラバラな300字SSをワーーーーーー!!!!とみせられればそれはそう……

あえて言われたことを挙げるとするならば、長編も書いていると言うことを伝えたら、長編も気になるとのことでした。

もしかしたら、ある程度ボリュームのあるお話を持って行くのが良いのかなという感触でしたね。


次に2回目の出張編集部。

1回目の経験を元に、このときはエブリスタに投稿した短編をまとめた本を持って行きました。

いくらかは目を通してもらえて、もらったアドバイスが「もっと世界観の説明をした方が良い」ということでした。

たしかに言われてみれば、短編集に収録していたお話は同一世界のお話とはいえ、時代や主人公が全部違うものだったので、そのあたり中途半端に開示していると読みづらさがあるかもとは思いました。

文章力や内容についての言及はこのときもあまりなかったので、この「世界観の説明不足」が致命的だったのかなという印象です。


そして3回目の出張編集部。

2回目の経験とマイフレンズの助言を元に、すでに発行している本ではなく、なるべく新しめの短編をプリントアウトして持って行きました。

(一応簡単な製本はしました)

持って行ったのが、エブリスタに投稿した短編を2本。2万字のものと5000字のものです。

とりあえず1本で完結しているものをそのままお出しするスタイルで行きました。

編集さんに2冊提示したところ、おすすめはどちらかと聞かれたので、より新しい2万字の方を提示。

あらかじめ2万字ほどあることを伝えたら、「さわりだけ拝見しますね」とのことだったのですが、がっつり最後まで読まれましたね……

これはだいぶ好感触と思ってお話を聞いたのですが、以下の2点が挙げられました。


・文章力は申し分ない

・もっとフェチをさらけ出して欲しい


とのこと。

文章力に注文を付けられなかったのは意外なのですが、フェチというか性癖はもっと尖らせた方が刺さるんだなーと思いました。

まあ、マーケティング的にニッチ化というのがあるので、そこを狙うのは順当なのですが。

3回目にしてだいぶ良い評価をもらった感じです。




出張編集部に行って、はじめは弱みを掴んで把握して、その後対策を立てた形ですが、やっぱり弱みも強みも客観的に見てもらうのは大事ですね。

特に弱みはどうしても目を逸らしがちなので、ちゃんと指摘されるのは大事。

今後もちょいちょい出張編集部に行ってアドバイスをいただきたいところです。


ここまで私の個人的な体験談なのですが、プロを目指すまで行かなくとも、同人活動をする上でより売上を上げたいとか、そういう人にも出張編集部は役立つかなと思いました。

どのような点で役立つかというと、出張編集部に行くにはエントリーシートを書くんですけど、そこにに持ち込み動機を選択する欄があるんです。

選択肢は以下の通り。


・貴誌への掲載を目指して

・作品のアドバイスを求めて

・その他(自由記入)


この「その他」の項目が使えるなと思ったんです。

自分で自分の作品の売りや強みを把握するのは意外と難しいです。

自分が売りにしていると思っている部分が意外と弱かったり、逆に、予想もしなかった部分が売りになったりします。

その自分の作品の「売り」を編集者さんに見つけてもらうんです。

なので、「その他(自由記入)」の部分に「作品のアピールポイントを知りたい」とか「作品の魅力的な部分を客観的に聞きたい」とか書いて持ち込めば、プロの編集さんの目から見た売りの部分が見つかるのではないかなと思いました。


出張編集部はなんかこわいと思う方も多いかと思いますが、個人的には集英社のノベル大賞の評価シートよりはソフトだなという印象です。

言うほどこわくない。

なので、売上を上げたいタイプの同人作家さんも出張編集部を活用したら良いのではないかなというお話でした。


ちなみに、私は1・2回目は「作品のアドバイスを求めて」、3回目は「貴誌への掲載を目指して」にチェックして突撃してます。

3回目無謀すぎるだろ……!!!

編集部により合う合わないはありますが、出張編集部、おすすめです。