こんにちは、クロスフォリオ事務局です!

今月の「小説」特集では事務局おすすめの5名のクリエイターによる珠玉の作品をご紹介いたします。

この特集を通して、あなたにとって新たな出会いや発見があることを願っております📚





『メイト/フレンド』呉智柑子

キーワード

#大学生活 #人間関係 #恋心

あらすじ

私はあなたを一番だと思っているのにあなたは私を一番に思ってはくれていない。
親友に勝手に期待して、傷ついた私は友だちを作ることにひどく臆病になってしまう。
自分の中にある独占欲や自己中心的な気持ちに不愉快さを感じながら、大学生となり私はサークルの先輩を好きになる。
初めての恋心に戸惑いながら、私は私自身に向き合っていく。

事務局レビュー

自分がいちばん大切に思っている誰かにとって、自分はいちばんの存在ではない——そんな孤独感が切実な一作でした。
自分の感情を押し殺し、他人と距離を取って生きてきた主人公。そんな主人公が他人を好きになってしまった時の、等身大の葛藤が精細な筆致で描き出されており、思春期らしい懊悩に過去の自分を重ねてしまうこと間違いなし。孤独感を抱える主人公だからこそのラストシーンが、深く心に残りました。




『神鎧機アレクサンダー』塚原春海

キーワード

#ロボット #異星人の侵略 #SF

あらすじ

ある日、世界中に出現した謎の蟹型宇宙船。蟹光線によって人類は無力化され、地球外知的生命体を自称する地球外知的生命体への対抗手段は無いかに思われた。だが、蟹型宇宙船の前に突如、真紅のロボットが立ちはだかる。

事務局レビュー

軽妙な語りが心地よい、異星人の侵略に人型ロボットが立ち向かうSFコメディ。
ユーモラスなワードセンスが非常に秀逸で、読者を楽しませようという意識が文章の端々から伝わってくる作品でした!
脱力感と疾走感が非常に心地よく、短編として最適化された構成はお見事の一言。いちど読み始めたらページをスクロールする手が止まらなくなること間違いなしの一作です。ぜひお読みください!




『マルボロ、そのメメント・モリ』陽野あたる

キーワード

#ハードボイルド #短編 #殺し屋

あらすじ

殺し屋として生きる主人公・シン。ある日、シンが始末するよう命じられた相手は、自らの師匠・リョウだった——

事務局レビュー

裏社会で生きる2人の男の、ハードボイルドな生き様が痺れる一作。
かつての師匠と対峙する展開、緊迫感のあるバトルシーンと、心地よい読後感……どれをとっても一級品で、非常に満足感の高い作品でした。冷酷な裏社会で生きてきた主人公・シンと師匠が培ってきた信頼関係がセリフの端々から感じられ、短い作品でありながらも読み終わるころには登場人物を好きになってしまっているような、人物の描写がお見事です。




『Cheering Girl's Love』深井陽介

キーワード

#百合 #ラブコメ #友達

あらすじ

同級生で親友の百合カップルを全力で応援する、とある女の子のお話。コメディとシリアスが行ったり来たりしますが、バッドエンドにはならないので安心を。

事務局レビュー

仲良し3人組として過ごしていた主人公・波花と、その友達の明菜と鞠亜。夏休みを前に晴れてカップルになった明菜と鞠亜のため、東奔西走する主人公が素敵な一作でした。
コミカルな作風ですらすらと読めつつも、丁寧な心理描写でしっかりと主人公に感情移入できるよう工夫されたバランス感覚が光る作品です。高校2年生のひと夏のきらめき、この気持ちは友愛か、それとも……揺れる淡い想いの行く末を、ぜひ見届けてください。




『【創作小説】ヘクセンナハト』雨色K

キーワード

#ファンタジー #不思議な青年 #冬

あらすじ

舞台は北方のとある街。
街に来てから初めての冬を迎えた男は、馴染みの酒場で見知らぬ青年と出会う。
他と異なる雰囲気を纏い、不思議な言動を見せる青年に男は興味を持ち、二人は酒場で会話を重ねるようになる。
だがある時、遠く離れた“中央”でのニュースを発端に、その日々が大きく変容する___。

事務局レビュー

抒情的な文章で紡がれる、男と不思議な青年の一幕。
情景描写が非常に巧みで、冬を舞台にしたファンタジーという幻想的な題材をこの上なく魅力的に描き切っています。
比較的短い作品ではありますが、高い筆力で描き出される世界観がどこまでも胸に残り、非常に満足感がありました。物語の"その後"に想いを馳せたくなる一作です。
冬の足音も聞こえ始めたこの時期、ぜひこの物語に浸ってみてください。




他にも沢山の小説が投稿されていますので、是非素敵な作品に出会ってみてくださいね!

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