遠い遠い昔の話。遥か彼方の月明かりが美しく降り注ぐ丘の向こうで、ある青年と出会う。竜は恋をうたい、愛をあみ、そして死を知り──死を願った。
『生きていて、必ず会いに行くから』そう言って願われては死にきれなくて。
竜は月を食むように大きく口を開けて息を吐いた。それが、この国の初めての大雪のはじまりとなる。
【舞台-月光り食む雪竜の御伽噺より】
※同名義でなろう様にも掲載しております。