花神少女の魔法花店

花神少女の魔法花店

読み切り/連作短編/ファンタジー/青年+少女

花を贈るとき、花言葉を意識するか、しないか。
たとえ意味など知らなくても、人は無意識に意識させられている。
プロポーズのときには薔薇の花を、お供えものには菊の花を、母の日にはカーネーションを、といったように。
花言葉なんて、所詮は声にならない言葉に過ぎないというのに……。
花は喋らないから。
秘めた気持ちを伝える手段。伝えるだけで、それは現実にはならない。現実になるときはおそらく、その人自身の実力。花の力ではない。

しかし、花に力を与える神様がいる。
力を持った花を生み出す、神様がいる。
神様は花言葉を……花の力で現実にする。

少女の形をした神様。人はその存在を――花神少女といった。


表紙:にょっき 様
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