わが青春の名列車
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今回のお題は、「わが青春の名列車」ですか。なんとも大仰な…。
でも、いいんです。鉄道ファンなら、誰にでも“名列車”は存在するんです!かく言う私にとっての名列車は、JR西日本山口線の「SLやまぐち」号です。
実家が北九州で、母方の里が山口県防府市という恵まれた(?)環境の私は、足しげく山口線詣でを繰り返していました。毎年恒例の「初詣号」は、雪の降りしきる氷点下の中で何時間も列車を待ち、夏の直射日光の下では重いカメラバックを2個ぶら下げて線路際を歩き回る。やがて車の免許を取ると生身で自然の影響をもろに受けながらロケハンするということはなくなりましたが、今度は車で追っかけが始まりました。当時はどんな天候でどの時間であれば、どこだとこんな写真が撮れる…、そんなことはすべてインプットされていたのですが、多分、もう10年近くは撮影に行っていないでしょうね。
イラストは、そんな「SLやまぐち」号を描いてみました。私、787.TSUBAMEというと九州のイラストというイメージがあるかもしれませんが、久しぶり(「新潟地区の鉄道」以来!)の本州進出です。
ロケーションは「SLやまぐち」号最大の難所である田代トンネルを抜けてもうすぐサミットという地点です。ここも何度となく通った有名撮影地です。季節は秋の設定にしました。気温が低いほうが、盛大な煙が望めますし、風がない穏やかな気候だと、煙が列車に回り込むこともないですからね!
初出:ネコパブリッシング社「レイルマガジン」誌2006年10月(#277)号