愛し方が分からない
嫌に響く雨の音
気がつくとサツキの声が遠くから聞こえる。いつもならすぐに起きれたのに、何故か起きれない。状況を聞けば1日を経過してしまっていると、あぁだから動かせないのかと納得した。
無事で良かったと、生きていると、出そうになる溜め息を押し殺してサツキを見る。助けてくれた時にも既に泣いていた目元は赤く腫れ、更に見張りの睡眠不足で薄く隈ができていて疲労も見えた。
寝かせてやらねばという気持ちでボロボロのサツキを抱いてやれば、数分と経たずに寝てしまった。よほど疲れていたんだろう、体勢を変えてやっても全く起きず、俺に身を預けて寝てしまっている。
愛おしく暫く見つめていると横から視線を感じ、それを見れば飛段がこちらを見てニヤケている。土矛の拳を喰らえば、また先程のように寝てしまった。
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