クランナッハ・セーティグ陸軍 礼装の兵下士官、将官
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(右) 陸軍参謀長 バロール・マッキーン・シンクレア・ド=モンテルカスト大将
(左) 一等兵、「イルダール・ショリ」近衛擲弾兵連隊
(奥) 高喇叭手の女性伍長、「アケアン・フェイル」近衛胸甲騎兵連隊
架空世界「失魔世界」でメインの舞台に据えているクランナッハ・セーティグ連合王国陸軍の礼装です。
これ自体は24年11月にデザインしたものですので、その後色々変更が加わってたりします。
(右) セーティグ陸軍の伝統的なシンボルカラーは国旗にも使われている橙色であり、かつての生東炭の燃焼による煙が立ち込める戦場でも簡単にセーティグ兵は見分けがついた。近代化によって前線からは姿を消したが、式典のための礼装としてはいまだに多くの連隊に使用されている。
この大将が着用している軍服はまさに将官の礼装用の典型例である。将官の礼服は18個の金ボタンがついた立襟フロックコートで、縁取りや袖飾りも金モールが多くあしらわれている。
袖口と立襟にあしらっているのは参謀科の兵科色である紺色で、ほかにも襟につけた参謀徽章でその役務を示している。右肩の肩パッドのウェビングを通す穴に飾緒を通しているのも将官独特といえよう。左肩の金リボンで編んだ肩章には王冠、菱形章ひとつ、そしてワシ章からなる階級章を取り付けている。
なおシンクレア大将は軍縮期の陸軍参謀長として、機械化と教育の高度化に貢献した人物。あだ名は「平服将軍」「ドクター」「キングスケルトン」。
(左) 兵下士官はシングル、士官将官はダブルという法則は礼装でも同様である。袖口と襟の緑色は歩兵科の兵科色。被っているフォレッジ・キャップにはかつて司教帽の時代から継承している、黒革と紋様つき金プレートで構成された連隊章がわりの前立が取り付けられている。下半身は連隊独自のタータンチェックをあしらったトラウザースと、白染したキャンバスの、金具を金メッキした専用のレギンスを着用している。「捧げ銃」に使用しているのは着剣したTi.58/80短小銃。ウェビングは通常のキャンバス素材ではなく、白く塗った革で作られたものを使用している。
(奥) 高喇叭は古来から戦いの時に鳴らされてきた金管楽器で、現代でも軍楽隊の楽器としてバグパイプや太鼓などとともに使用されている。喇叭部は狼、猪など動物の頭を型取り、高さ1メートル以上もある潜望鏡のような形をしている。ここで描かれているのは、馬上でも使えるように管を曲げたコンパクトなもの。
胸甲騎兵は火器以前の騎士の生き残りのような兵科だが、現代ではその戦術的意味がなくなり、機甲部隊へと改編されたので騎乗するのはこうした式典でのみのこととなっている。同兵科の礼装の特徴は青色のダブレット、さらにその上にまとった上半身を覆う鎧とヘルメットだろう。とくにヘルメットは失魔以前の上級戦士が被っていた魔術金属製の兜の形をまねたもの。ほかにも剣は両刃の直剣である「ブロードソード」であり、後世になって護拳を足したこと以外は失魔以前のロングソードとの違いはほとんどない。
下半身は連隊独自のタータンをあしらった旧式乗馬ズボンに、標準型の膝覆いを折り畳める乗馬ブーツ。馬具は足を前後の突起の間に挟み、身体をしっかりと馬に固定する「四前橋鞍」を使用して、足をまっすぐ伸ばした姿勢でまたがっている。