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2025.12.23 12:04

『お昼寝』メイキング~最終調整編~

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『お昼寝』の、イラストメイキングです。

前回の記事『清書編②』の続きで、今回は『最終調整編』となります。

前回書けなかった差分の2枚目についてと、私なりの最終調整の仕方について書いていけたらと思います。

差分の2枚目については、今回も清書途中の画像が残っておりません。

清書後の画像とカラーラフの画像を比較しつつ、どこを意識して清書していったかを説明していければと思います。

今回も前回の記事同様、ご依頼人様のお子様(オリジナルキャラクター)を「🐏くん」とお呼びしております。



使用しているペイントソフト:CLIP STUDIO PAINT


差分の2枚目を整える


「差分の2枚目」だと長いので、これ以降「差分」と表記します。

差分のカラーラフがこちらです。

この画像だと全部ラフになってしまってますが、背景と🐏くんはすでに前回の記事で整え終わっているので「黒い上着」「人形」の2つを整えていきます。


◆上着を整える◆


分かりやすくなるよう、植物などをどかしました。

『カラーラフ編』でも少し話しましたが、カラーラフを描く時点で上着が一番難しかったです…!!

私はコートを持っていないので、人にかけた時の皺の形状などを観察したくてもできなくて…!!

それっぽい写真を探したり、私の手持ちの上着でなるべく大きいものを昼寝してる息子にかけて雰囲気をつかんだり、試行錯誤してできたのがこのカラーラフです。

…と、脱線してしまいすみません(;´∀`)。

苦労して描いたと言い張っているこのコート。

パートナーさんの後ろ姿の絵がなかったので(🐏くんだけのご依頼だったのに私が描きたくて描かせてもらってたので)、会社勤めの人が着てそうなコートを参考に描いてます。コートの形はうまくとれたと思うのですが、カラーラフの時点ではだいぶファンタジーらしさがなくなってしまいました。

清書では形を整えつつ、コートだけ見てもファンタジーの世界を感じる、且つ、「🐏くんのパートナーさんのコート」と分かるデザインにしていこうと思います。

このコートの背面デザインは、完璧な私の妄想になります。

暴走しちゃって申し訳ない…!!


清書したのがこちらです。

コートの形は、フードの皺の形状をシンプルにした以外大きく変えていません。

ベルト…!!ベルトにこだわりました!!

「ファンタジー ベルト」で検索すると、素敵なベルトがたくさん…!!

形や素材はいろいろでしたが、「目立つ金具」や「小物入れ」がついていることが共通点かなと思ったので、この2点を加えました。

小物入れ…いいですね…。

一気にファンタジー感がアップした気がします(*´ω`*)。

金具はもっと増やそうかなとも思ったのですが、ゴテゴテしたものよりはシンプルな方が好きかなと思ったので、形はこだわりましたが数は必要最低限にしました。

金具は分かりにくいかもしれませんが、狼の耳と尻尾をモチーフにしてます

パートナーさんは腰に剣を差しているのですが、その剣で狩った獲物を調理したりもするとお聞きしたので、小物入れの中には調味料や簡易的な傷薬が入ってたりするのかな~など想像しながら描いてました。


革の質感を表現したかったので、clipstudio assetで見つけたラメっぽいキラキラのブラシを別レイヤーで上から塗りました。

いつもその場のノリで塗っているのでどの合成モードを使ったのか忘れましたが、元のベルトの色より明るい色になるものと暗い色になるもの、2種類使って透明度で調整した気がします。表面と側面を分かりやすくしたかったので、側面にはラメっぽいブラシは塗ってません。情報量が欲しかったので、主線なしであとから糸を足しました。ささやかですが、あるのとないのとでは印象が全然違います。

金具が周りに馴染むように、ベルトに近いところには赤色を、逆側はコートの色を上からうっすら塗りました。コートには、金具の光をささやかに反射させました。

ベルトの影も、分かりにくいですがうっすら赤色を混ぜてます。

周りの色がお互いに影響しあうのが好きです。


◆人形を整える◆


右下の人形を整えていきます。

『カラーラフ編』でも載せましたが、人形の全体図がこちらです。

パートナーさんを意識しつつ、似すぎないようデザインしました。

人形らしさを出したかったので、コートの袖のベルトはあえてリアルにならないよう意識しました。

(接着剤でぺたっと貼ったような感じを出したかった)

パートナーさんは「わんこに限りなく近い狼」という情報を見かけて知っていたので、顔は犬、肉球は狼を参考に描きました。


清書したのがこちらです。

ラフの時点でデザインをしっかり考えていたので、袋の主線を白くして全体のバランスを整えたこと以外は大きく変えていません。

袋が透明であることを表現したかったので、主線を白くしました。

それだけだと袋に見えなかったので、暖色系の色をうっすら塗り、人形の色が袋の影響で少しくすんで見える感じにしました。また、人形が袋に入ってるように見えてほしかったので、あえて人形に明暗差をあまりつけず影を塗りました。

ソファに写る影は主線だけ描くことで、袋が透明なことを表現しました。

「透明な袋」の表現が思った以上に難しく、しわの付き方や影の落ち方など想像だけでは描けなかったので、こちらも参考資料を探して描きました。


人形の顔がよく見えるように袋の皺の位置を調整し、プレゼント感をアップしたかったのでリボンをキラキラにしました。ベルトの革を表現したラメっぽいブラシを使ってます。


袋のサイドテーブルと接してるところに、テーブルとその上にある植物の色をうっすら乗せました。角度的に植物の色が袋に反射するのか微妙なところではありますが、色が馴染むといいなと思って…!

同じ理由で、袋の前面(人形の鼻から脚あたりまで)はソファパッドの緑をうっすら乗せてます。

どちらもうっすら過ぎて分かりづらいと思うのですが、「近くにあるモノの色の反射」があるのとないのでは馴染み度がだいぶ違うのでまだ意識したことがない人は一度試してみてほしい。私は色塗りが楽しくなりました。

最終調整


いよいよ最終調整です…!!

整え忘れたところがないか確認したら、全体的な色味を調整していきます。

私が最終調整で意識していることは、

「目立ってほしいところに視線が行くか」

「目標としている雰囲気に近づけているか」

「スマホとPCでの見え方の違い」の3点です。

まず、調整前の絵がこちらです。

「スマホとPCでの見え方の違い」は最終調整の更に終盤で見比べるので、まずは

「目立ってほしいところに視線が行くか」

「目標としている雰囲気に近づけているか」

を意識して調整していきます。


時刻は夕方。パートナーさんが仕事から帰ってきたところを想定しています。

夕方というよりお昼に近い雰囲気になってたので、目標としてる雰囲気と少し違ってしまっています。グラデーションマップを使い夕焼けの雰囲気を足しました。


変化が少し分かりづらいので、1枚目を並べてみました。

左がグラデーションマップをかけた後です。

少しオレンジ色が強くなってるのが分かると思います。

しかし、まだ夕方の雰囲気が足りない気がします。

夕日に照らされてる感じを出したかったので、

「新規色調補正レイヤー」→「明るさ・コントラスト」で明るくし、日の当たっていないところをマスクで消しました。

並べてもすっごくわかりづらい…!

しかし、ささやかにですが変わってます。


カラーでの比較と並行し、私は『バリュー(色価)』の見方で比較しています。

『バリュー(色価)』については後で説明するとして、その見方で比較した画像がこちらです。

カラーで見た時より、ささやかですが明るさがアップしてるのが分かると思います。

特にソファの背もたれの上の部分・羊のスリッパの光が当たってる顔の部分が分かりやすいです。

🐏くんの顔回りも明るくなっていて、調整前より目がすっとお顔に行きやすくなってるのです…が。

並べると分かりづらいですね…。

作業中は調整後のレイヤーの表示・非表示を繰り返して、よりいいと思う方を採用し、ちょっとずつ良くしていきます。調整した方が余計だなと思った場合は、大人しくそのレイヤーを消します。

ちょっとずつの変化が重なって、徐々に大きな変化になっていきます。

目が疲れるし根気勝負ですが、私はこの作業が結構好きです。


◆バリュー(色価)について◆


先ほどちょろっと出てきた『バリュー(色価)』についての説明をしていきます。

『バリュー』もしくは『ヴァルール(バルール)』、日本語では『色価』と訳されています。正直に言いますと、私も完璧に理解できてるわけではなく まだ感覚で扱ってるので、「現時点での私のバリューについての認識」としてざっくりと説明します。

詳しく知りたい方は、ネットや本でご自身で調べることを強くお勧めします。

バリューとは、「その色が持つ明度」です。

言葉で説明するのが難しいので画像を使わせていただきます。


ここに4色用意します。

この色は、CLIP STUDIO PAINTのカラーサークルの四角の一番右上(彩度MAX/明度MAX)の色から選んできました。

つまり、全部同じ彩度/同じ明度になります。

これを彩度0にするとこうなります。

彩度/明度どちらも同じなので、彩度を0にすると同じ明度の4色はすべて同じようなグレーになります。



これをバリューの見方で見るとこうなります。

先ほどはすべて同じようなグレーだったのに対し、こちらはそれぞれ違う明るさのグレーになりました。

この違いが「その色が持つ明度」です。青はかなり暗く、黄色はかなり明るいことが分かります。


並べてみるとこんな感じ。

私は、主にバリューの見方でコントラストが付いてるかどうか、目立ってほしいところに目が行くかチェックしてます。


CLIP STUDIO PAINTでのやり方ですが、

レイヤーの一番上に新規レイヤーを作り、真っ白に塗りつぶす

合成モードを「カラー」にする とバリューを確認できます。


私は探しやすいように透過したフォルダの中に入れてますが、レイヤーだけでも大丈夫だと思います。

このレイヤーを表示オンにして絵を見ると、バリューがチェックできます。


先ほど「明るさ・コントラスト」で明るくした絵を、バリューの見方と彩度0にしたものを並べてみました。

左がバリュー、右側が彩度0です。

全体的に、バリューの方がコントラストがやや強く見えてると思います。

左上の葉っぱと絨毯が、特に違いが分かりやすいかと。

私は、バリューでの印象の方が人が絵を見る時の印象に近いと思っているので、最終確認ではいつもこの方法でカラーの絵と比較しながら調整しています。


逆に、カラーで見た時に色が単調だなと思ったところは、バリューで違和感が出ない程度にささやかに色を加えて情報量を増やしたりしています。

例えば、このズボン。どちらも同じ明暗に見えると思います。

では、カラーにしてみましょう。

左側の画像には、ほんのりですが明るいところに赤色を入れてます。

清書時(右)はズボンの色のみで明暗を出してますが、少し単調で変化が欲しいと思い赤色を足しました。

バリューでの変化はないですが、カラーで見ると色の変化が出て楽しい見た目になったと思います。


拙いですが、私なりに『バリュー(色価)』の説明をさせていただきました。

私はまだ最終調整の確認の時にしか意識してませんが、最初の塗りで意識するともっと影色を斬新な色にできたり、白いTシャツでもいろんな光の色を乗せて鮮やかにできたりと、塗りが楽しくなる気がします。

私の説明では不十分なところが多いと思うので、ぜひ、一度ネットや書籍で調べてみてください。

◆「スマホとPCでの見え方の違い」を確認しながら調整する◆


バリュー(色価)の話が間に入って分かりづらくなってしまいましたが、現在の調整した絵の全体図がこちらです。

清書した絵にグラデーションマップをかけ、「色調補正レイヤー」で明るさを調整した状態です。

PC上で見た感じでは、完成と言ってもいいと思えました。

そこで、一度PNGに変換しスマホでも見れるところに保存し(私はグーグルドライブを使ってます)、PCとスマホの画面を並べてチェックします。

スマホとPCとで見え方が違うからです。


※以下の説明はPC基準になってます。

スマホから見て下さっている方は、もう少し明るく白みがかって表示されていると思っていただければ嬉しいです…!

なんとなく、私のスマホでは暗めに表示されるんだなぁと思っていただければ…!


左がPC、右がスマホでの見え方です。 (あくまで私のPC,私のスマホでの見え方です)


右の絵は私がスマホを見ながら近くなるよう調整をかけた画像ですが、PCとスマホだとこのくらい違いがあります。

おそらく、PCだけでも私のPCと他の方のPCでは見え方が違うと思いますし、スマホも同じように機種によって変わると思います。

「全ての画面から一番いい見え方にする」というのはできないと思うので、移動の時も気楽に見れるスマホをメインにとらえ、「スマホで見た印象を大事にしつつ、PCで見ても明るくなりすぎない中間地点」を探っていくようにしています。

今回の絵の調整としまして、スマホでの見え方が正直エモさが増してとても好きなのですが…!!

でもやっぱりちょっと暗すぎるかなと思ったので、「色調補正レイヤー」→「明るさ・コントラスト」で暗いと思った部分を明るくしました。



カラーだけだと分かりづらかったので、バリュー(色価)バージョンも下に置きました。

左上の葉っぱの光が当たってる部分が一番分かりやすいですが、暗い部分を全体的に明るくしました。


スマホでの見え方を比べるとこんな感じ。左が調整後です。

赤いクッションと葉っぱの境目が分かりやすくなったと思います。

それでもまだ暗く感じるので、「色調補正レイヤー」の「明るさ・コントラスト」で光が当たってるところを中心に明るくし、スマホで見た時の赤みを抑えたかったので薄いグレーを「覆い焼きカラー」で乗せました。

スマホでの見え方の比較です。

調整前に比べて、全体的に赤みが減ってるのが分かると思います。

ソファの背もたれ部分が分かりやすいです。

スマホでの見え方もだいぶ良くなってきました!

しかし、今度はPCで見た時に白くなりすぎてしまったので、「色調補正レイヤー」→「トーンカーブ」で人物の色を鮮やかにしました。

ささやかな変化ですが、🐏くんに目が行きやすくなったと思います。

スマホで見比べるとこんな感じ。

左が調整後です。

私が調整してるのでばらつきがあり申し訳ないですが、大体こんな感じで仕上がりました。右にくらべ、🐏くんの存在感が増して目が行くようになりました。

PCとスマホでだいぶ印象が変わりますが、どちらも伝えたいことが伝わる絵になったかなと思うので、

ここで完成としました。

完成した絵は大きいサイズでこちらにあるので、良ければ見ていただけると嬉しいです。

お近くにスマホとPCどちらもある方は、ぜひいろいろな絵を見比べてみて下さい。

雰囲気が変わって、楽しいと思います(*´ω`*)。



今回は、だいぶ長くなってしまいました…!!

この記事をここまで読んでいただいた方、メイキングを最初の記事から読んでくださってる方、

ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます!


また、素敵なお子様を描かせていただき、締め切りギリギリまで優しく見守ってくださり、

メイキングも書かせていただいたご依頼人様に最大級の感謝を…!!

たくさん妄想して楽しんでしまいましたし、この絵を通して勉強になることがたくさんありました。

本当にありがとうございます!!


今後は、しばらくはゲーム作りに励みたいと思います(`・ω・´)ゞ。

ちょっとした進捗は有料プランにアップする予定ですが、まとまってお伝えできることが増えたら無料プランでも記事にするつもりですので、もし興味がある方はたまにチラッと見に来てくださると嬉しいです。


ここまで読んでいただきありがとうございます(*'▽')。