公開投稿
2024.12.15 23:50
Skebでの1年5ヶ月の活動成果と感想
4945
Skebでの1年5ヶ月の活動成果と感想 2024.12.15
【①はじめに】
約1年5ヶ月前、2023.7頃に私はイラストレーターとしてskebというコミッションサイトで活動を始めました。
この記事では、活動の成果や感想、活動方針、skebを実際に使ってみて感じたメリット・デメリットなどについてまとめていきたいと思います。
筆者プロフィール
2022.1 素人の状態から絵を描き始める
2023.1 仕事を退職してフリーランスイラストレーターになる
2024.8 有償依頼実績200件達成
2024.10 skeb納品実績100件達成
筆者skeb: https://skeb.jp/@maizumi_illust
【②活動の成果と方針など】
1.納品件数
この記事を執筆している2024.12.15時点ではskebの納品件数は『109件』です。
ざっくり、1カ月に6件ぐらい納品してきた計算になると思います。
私の場合skeb以外でも依頼を受けており、サンプル作り・宣伝・練習も兼ねて趣味絵もけっこう描いたりしているので亀の歩みです。
109件と言うと「ほえ〜、多いじゃん!!」と思う方もいるでしょうが、ところがどすこい、本当に多い方だと1000件以上も納品している先輩も多くいらっしゃるので、まだまだ人気クリエイターへの道は険しいなと感じております。
いずれは納品件数200件、500件、1000件、10000件……とどんどん上を目指していきたい所存です。
2.方針について
これはskebに限ったことではなく、依頼を受けこなす際の私の考えというか方針というか自戒というかこだわりなのですが、『実績数を増やすことを主目的にはしない』というものがあります。
私はいつも実績件数をカウントしながらツイートしているので、それを知っている方は意外に思うかもしれませんね。
あれは実績数が虚偽ではないことの証明のためにおこなっています。
ネットにはよく『skebでリクエストをもらう方法』みたいなタイトルの記事があり、
「まず最初はとにかく安売りしましょう!!」
「500円ぐらいでリクエストを募集しましょう!」
みたいなことが書かれているのを見ますが、ごめんなさい。
その手の記事は全然参考になりません。
読まないでください時間の無駄です。
正直そのような記事を書いている人も、それを読んで実践している人も、あまり人生上手くいかないんじゃないかな……と、心配して心を痛めています。
だってそうでしょう、自分が長い間努力して積み上げてきたスキルを、自分の時間(寿命)を、たった500〜1000円だとかそんな金額で安売りして、そんな金額で売ることしか出来なくて、しかもそれを悔しいとも思わず大喜びしているようでは、先が思いやられます。
時給換算したらいくらですか?50〜100円ぐらい……??
そんな、もはや無償とあまり変わらないような、小学生にも鼻で笑われそうな金額でしか受けられないなら、まだお金をもらって仕事をして良いレベルではないです。
基本的な考えとして、時給が最低賃金にもならないような仕事は仕事じゃないし、価値のある実績にもなりません。
画力も自己肯定感も知名度も上がりません。
クリエイターどころか人間扱いされてないので、喜んではいけません。
ただ実績件数を増やすことを目的として、
「薄利多売じゃい!!」とでも言わんばかりに500〜3000円ぐらいだとかそのぐらいの価格帯でイラストを描いているクリエイター様は多くおりますが、薄利多売というのは効率的かつ継続的に大量生産・大量販売が出来る状況でならば少しは純利益が出るので有効、という手段です。
一枚一枚がオーダーメイドであるイラスト業界において薄利多売のやり方を続けても、充分な稼ぎを得るのは難しく、画力も上がらず、クリエイターとして大成する未来はない上に、相場を低くすることでskeb全体・イラスト業界全体にも迷惑をかけてしまいます。
そんなことをするぐらいなら普通にバイトなり裏バイトなりして最低賃金以上のお金をもらい、それを教材・機材の購入や貯金に回しつつ趣味絵を描いた方が断然プラスになると思います。
例に挙げてしまうようで申し訳ないですが実際に、そのような薄利多売のやり方を何年も続けているせいで、skeb実績件数が1000件を超えて『人気クリエイター』として掲載されているにも関わらず、金額設定も画力も知名度もずっと上がらず、完全に停滞しているような方もいらっしゃいます。
そうなってはいけません。
私もそうならないように頑張ります。
ソシャゲや少年マンガのように画力がインフレし、様々な変化が起きていくこの世界において、停滞は退化と同義です。現状維持すら出来ていないのです。
時代に置いていかれないためには、上へ上へ、先へ先へ、立ち止まれば死ぬぞ、と常に向上心と危機感を持ち、必死の覚悟で走り続ける必要があると思います。
それが嫌ならクリエイターなんて全く向いてません。
そのような強迫観念じみた、しかし恐らくまあまあ正しい考えがあるため、私はskebを始めた当初、まだ納品実績が0の時点から最低金額8000円・おまかせ金額10000円というそこそこの金額で始めており、そこから徐々に価格を上げ、現在では最低金額13000円・おまかせ金額15000円でやらせていただいております。
「なんだよ偉そうなことを言う割に、お前の金額もあまり高くないじゃないか」
と言われるかもしれませんが、そのおまかせ金額よりもさらに上乗せして17000〜35000円とかでリクエストしていだけたり、高額のブーストをいただけることもあるので、実は金額設定以上にお金をもらえることが多いです。
それにskebでは様々なメリットがあるので安めの金額設定にしていますが、Twitterではそれよりも高額の料金で、条件の良い案件しか受けておりません。
【③skebのメリット】
1.サイトが使いやすい
skebは他コミッションサービスのSKIMA・ココナラなどとは違いアプリはないのですが、サイトは非常に使いやすいです。
特に助かるのは、現在制作しているリクエストを納品期日が近い順に一覧表示する機能で、常にリクエストを数件〜数十件受けているようなクリエイターにとってはこれが大きな助けになると思います。
依頼管理はアナログにしろデジタルにしろけっこうな手間でミスもしがちですが、期日が近づくとしつこいぐらいにメールまでしてくれるので、納品忘れミスも防げます。
また、コミッションによって得た金銭のデータも一覧表示・出力出来るため、多くのクリエイターが恐れる確定申告の際も楽をすることが出来ます(楽とは言ってない)。
2.ブーストによる追加報酬がある
skebにはクリエイターが成果物を納品後、それに対するお礼として、クライアントからチップ(お金)とお礼のメッセージを送れるブーストというシステムがあります。
このブーストによる支援は、まだまだ駆け出しの弱小よわよわ底辺雑魚クリエイターである私の貴重な収入源となっています。
ブーストで生かされてると言っても過言じゃありません。
また、チップがあることによってクライアント様からの褒めや感謝の言葉を、単なるお世辞や社交辞令ではない『嘘偽りのないもの』として感じることができ、モチベーションの維持・向上に繋がりました。
これはskebならではの感覚だと思います。
ブーストは最小500円から送れるようになっており、勿論500円でも元々予定になかった収入が増えるのは助かるのですが、多いときでは17000円ものブーストを送っていただけたことがあります。
ありがたいことに、1000〜5000円程のブーストをいただけることも多いので、非常に助かっております。
ブーストがあった際は、自分の納品実績イラストにリプする形でお礼をしているのですが、この場でも改めてお礼の言葉を述べさせていただきます。
本当にありがとうございました。
3.手数料が安い
コミッションサイトである以上手数料は発生するのですが、その手数料がかなり低く設定されています。
しかもけっこうな頻度で手数料無料キャンペーンも開催してくださるため非常に助かっております。
4.イラスト制作の自由度が高い
skebはクライアントのリクエスト文に完全に従う必要はなく、リクエスト文も『クリエイターにおまかせ』というものが多いため、自由度が高いです。
自由度の高さ故にどのようなイラストを求められているのか、どのように描けば良いか?と悩むことも多いですが、仕事絵というより趣味絵に近い感覚で絵を描けるのは楽しく、大きなメリットだと思います。
また、細かい指定がない場合はほとんどをクリエイターのセンスによって制作するため、絵のプロではないクライアント様から細かに構図やポーズや配色などを指定された場合と比較して、見栄えの良い作品を作りやすいのもメリットだと思います。
描き込み量や描写範囲、差分の有無などもクリエイターの自由なので、割に合わない仕事になりにくい、という面もあります。
5.納期が長い
skebはリクエストが送られてから納品までの期日、納品期日を最長120日までに設定出来ます。
専業イラストレーターは仕事が無くなると困るため1〜3カ月先ぐらいまでは仕事の予定を入れておきたいものなのですが、Twitterなどではそこまで長い間待ってくれるクライアントを見つけるのは難しいです。
その点、skebでは限界の120日の期日設定でも普通にリクエストをもらえます。
ただこれは知っておくべきことだと思いますし私も肝に銘じていますが、クリエイターからすると音速・光速の速さで過ぎる120日という期間は、待つ側としてはかなり長いです。
100日後に死ぬワニが1.2回死にます。
いつ納品されるか、そもそも納品されるか自体も分からない(納品が間に合わずキャンセルするクリエイターもいる)状況が数ヶ月続くのは、クライアントとしてはなかなか辛いかもしれません。
ですので自分のスケジュールと相談して無理なくこなせる範囲で、出来るだけ短い期日を設定する、という意識も大事だと思います。
私は状況に合わせてこまめに期日設定を変更しています。
6.対人ストレスが少なめ
クライアントはリクエストを送り、クリエイターはそれを受けてイラストを描き納品、という必要最低限のやり取りしかなく、他snsでのやり取りも禁止されているため、人間とあまり関わらないで済みます。
リテイクもないし、納期まで余裕があるのに催促されたりしないし、納品時に文句を言われることもありません。
料金未払い等の詐欺の危険もありません。
受注〜納品までの流れが非常にスムーズです。
Twitterなどで依頼を受けようとすると、まともに読み書きも出来ないような方が連絡をしてきたりなど色々とストレスが多く、それで病んだり禿げたり筆を折る方がいますが、skebでは比較的快適に仕事が出来ます。
毎日家に引きこもって絵を描くだけのフリーランスイラストレーターの場合、snsでの対人トラブルによるストレスさえ無ければ毎日ハッピー薔薇色の人生なので、これは本当に助かります。
病んだり禿げたりするのが嫌な方は是非skebの活用をおすすめします。
ただそんなskebにおいても、クリエイターに嫌な思いをさせることが出来る手段というものは存在しており、メンタルにダメージを負いたくない方は注意する必要があります。
こちらについてはデメリットの部分に記載します。
【④skebのデメリット】
●ブースト機能がある
「チップを送れるブースト機能があるのがデメリット?さっきはメリットだと言ってたじゃあないか!!」
はい、その通りです。
たしかに元々の制作料金に加え、本来予定になかったお金とお礼の言葉がもらえるのはメリットです。
しかし、よく考えてみてください。
ブーストというのは、
『気に入った作品にお礼を伝えられる』
機能であると同時に、
『気に入らなかった作品にはお礼を伝えない』
ことも出来る機能ということ。
クライアントはブーストを送る作品と送らない作品を区別することで、クリエイターに対して
「あなたのイラストの出来は良くなかったよ」
「私はあなたの仕事に不満があります」
などといったネガティブな意思表示が出来てしまいます。
いやらしいことに、ブーストがおこなわれたイラストの枠は金色になり、ブースト時のコメントも他者が自由に見られるという仕様。
そのため、クライアントがどれぐらいの割合でブーストしているかはイラスト制作のための資料集めなどの際に分かります。
99パーセントぐらいの割合でブーストをしているクライアントが自分にはブーストしなかった、などということが、知りたくなくてもすぐに分かってしまいます。
実際私も、私より以前のイラストは大体ブーストされていたのに私はブーストされず、しかも私の次のイラストはブーストされ、Twitterでの「真泉さんに描いてもらいました!」というような投稿すらもない、というような経験は何度かあります。
引用ツイートやメンションで嫌なコメントをされたこともあります。
同じような経験をされている方も少なくないでしょう。
もちろんブーストはもらえたらラッキー、というもので義務なんかではありません。
そもそもリクエストをもらえている時点でありがたいので、ブーストまでもらえて当然だなどと思ったことはありません。
ブーストするには最低500円かかるし、500円もあればコンビニで美味しいデザートや美味しいお菓子などを買えるでしょう。
そう考えると安くありません。
ブーストしたところで基本的には直接的なメリットもありません。
クライアント側としても金欠だとか、そもそものリクエスト料金を高めに払っていたから、リクエスト内容と違ったから、キャラデザに誤りがあったから、納品が遅かったからなど様々な理由があるかと思います。
しかしTwitterでの投稿も特定のイラストだけスルー。そこまでするならそれはもうほぼ間違いなく悪意をもってやっている行為と断言出来るでしょう。
そうしたことがあったなら、もし自分がどうしてもそうしたいのなら、別にクライアントのアカウントをブロックしたって構いません。
一番あってはならないのはその程度のことでいちいち落ち込んで、筆を折ることです。
原因を考えて自分の成長に繋げようという気持ちは大事ですが、きっと運が悪かったんだ気にしないでおこう、絵を描いただけでお金貰えたしまあいいや、というような楽観的で他責的な考えも同時に持っておきましょう。
毎回毎回、今回の自分の仕事は本当に報酬に見合っていたか……??
なんて大真面目に考えてたら心身が保ちません。
さて、クリエイターがこのようなskebでの嫌がらせ行為をされるのを防ぎたいなら、方法はいくつかあります。
・クライアントの満足度を上げる
イラストのクオリティを上げ、描写範囲も広くし、差分も沢山つける。
これはブーストがどうとかそんな話に関係なく、クリエイターが持っておくべきサービス精神・向上心だとは思います。
しかしやりすぎればどんどん割に合わない仕事となってしまいますし、そうして苦労しても前述したような、ブーストもsnsでの反応もなく自分だけスルー、ということも当然あり得ます。
そうなった場合のダメージを大きくする行為でもあります。
こちらの知名度、画力、料金設定などが上がるほどクライアントの期待値も比例するように上がるので、そのハードルを超える、というのはどれだけ研鑽を重ねても容易ではありません。
・ブースト機能をOFFにする
実はブーストは、誰からも受け取らない設定にすることが出来ます。
しかし、前述したようにブーストは貴重な収入源であり、制作に必要なモチベーションを上げてくれることもあるものです。
それに、他者からは自分がブーストをOFFにしていることなんて分からないので、
「このクリエイター、一回もブーストされてない……あまりクライアントが満足するような仕事をしてないんだな」
などと思われてしまう可能性があります。
そうしたことを考えると、ブースト時のコメントで暴言を吐かれている、などもっと直接的な嫌がらせなどがないならばブーストをOFFにするのは現実的ではないでしょう。
・Twitterアカウントをミュート
クライアントのTwitterアカウントを予めミュートしておけば、何かメンションや引用ツイートをされたとしても通知欄には表示されないので、わざわざ相手のツイート欄を見にいかなければ何も見ることはありません。
相手が褒めているつもりでもこちらにとっては嫌な言葉だったりしますし、そもそもメンションや引用ツイートという行為自体が嫌という方もいると思うので、選択肢として検討してみてください。
・複数枚を同時期に納品
こちらはダメージを軽減させようという考えです。
例えば5件の絵を同時期に納品して、そのうちの3件はブーストやリアクションがなくても、他の2件で良い反応が得られれば、反応がなかったほうはあまり気にならないよね、という考えです。
あえてデメリットを挙げるなら、1件1件終わらせるやり方より納品が遅くなりがちで、それによってクライアントの不満が大きくなる恐れがある、などが考えられます。
【⑤二次創作について】
これについては語り出すと本当に長くなるし、語れば多くの人を敵に回すことになるのでここではちょっとしか触れませんが、私は基本的にskebでは許可のある二次創作しか受けません。
過去には、私がまだ権利関係について無知なせいで受けてしまったり、二次創作だと伝えられなかったせいで受けてしまった依頼もありますが、今は完全にNGです。
※東方projectについてはskeb等での制作も大丈夫という認識でおりますが、もし誤りがあれば根拠も併せてお伝えください。
【⑥まとめ】
約1年5ヶ月のskebでの活動を通じて実績や報酬を獲得し、クリエイターとして多くのことを学ぶことが出来ました。
まだまだイラスト歴もイラストレーター歴も短い駆け出しの身ですので、日々精進していきたいと思います。
skebでリクエストをしてくださった方、ブーストまでしてくださった方、いいねやリツイートで宣伝に協力してくださった方々、ありがとうございました。
また、skebという素晴らしいサービスを作ってくださったなるがみ様と、少数精鋭で日々激務をこなされている運営の方々にも感謝を述べさせていただきます。
【⑦他記事】
1.イラスト依頼のやり方
2.これはNG!失礼なDMの送り方