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2023.12.07 17:46
イラスト依頼のやり方
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イラスト依頼のやり方
イラスト依頼をしたい人が、絵描きに依頼をするときの注意事項等について、私なりに考えをまとめてみました。
目次
①依頼相談の手順
②依頼募集の手順
③まとめ
【①依頼相談の手順】
DMやメールで依頼をするときのやり方です。
1.相手の情報を調べる
2.文章を用意する
3.連絡する
1.相手の情報を調べる
イラスト依頼を受け付けている絵描きは固定ツイートやプロフィールなど、どこかには少なからず『依頼に関する情報』を記載しているものです。
何をどのぐらい書いているかは人によりますが、例えば
・描ける絵の種類(アイコン、歌みたなど)
・描けないもの(エログロ、版権など)
・作風、絵柄
・得意なこと、苦手なこと
・取引の流れ
・リテイクの回数、条件、タイミング
・料金、追加料金
・支払い方法
・イラストの使用用途、権利について
・連絡手段、予備連絡先
・連絡する際に伝えてほしいこと
・依頼テンプレート
などです。
こうした情報は、『相手にDMやメールを送る前に』しっかりと確認しましょう。
経験から言って、これを出来る人がまずかなり少な印象があります。
取引経験が豊富な絵描き程、トラブル回避と対応コスト削減の為、事前に知っておいてほしい注意事項などを固定ツイート等に細かく記載しているものです。
それらを一切確認せずに、
「依頼は初めてでやり方とか文章の書き方も何もかも分からないけど、まあ相手は仕事でやってるんだから、多少失礼があったところで喜んで依頼を引き受けるだろう」
などと考え、いきなり連絡すると絵描き側は困ってしまいます。
私の場合、『依頼をする際は必ずイラストの種類(アイコン等)を記載してください』と固定ツイートに記載しており、それがあるかで固定ツイートを読んでいただけているかの判断をしていますが、
「依頼したいです」
「描けますか?」
だけ、というようなDMはけっこう多いです。
私の経験上、そうした事前の確認をしていただけない方とやり取りをした場合はかなりの高確率で、依頼を受けられない程の低予算であったり、何かしらのトラブルに発展してしまったりするので、基本的にはお断りしています。
『記載してある情報をしっかり確認しているか』を一つの判断基準とし、それが出来ない方との取引は避けるようにしている絵描きは私以外にも多くいると思います。
SNSは良くも悪くも手軽であり、相手との距離感が近いと錯覚するので軽い気持ちで依頼の連絡をしてしまいがちです。
ですが有償依頼というものは金銭が絡むだけでなく著作権等の様々な権利が絡む取引です。少し大袈裟に聞こえる言い方をすると、『契約』です。
やり取りのメッセージは一言一句に至るまで全て契約書代わりとなります。
依頼者としては、自分は個人事業主に仕事を依頼する依頼者・お客様だ、という認識でいると思うのですが、実際のところは上下関係も何もない『対等な取引相手』です。
依頼する側だから偉いとか、依頼を受ける側だから偉いとかそういう関係ではありません。
例えるならばイラストレーターと依頼者の関係は店員と客というようなものではなくて、別の店の店長と店長のような関係です。
映画やドラマで、企業の代表同士が商談をしているシーンがあったりはしませんか。
お互いに話し合いをして、この相手は取引相手として相応しい、付き合うことで利益がある、と思えて初めて固く握手をして商談が成立します。
そうした場面を想像してください。それと同じです。
何かが起きてから、
「ちゃんと読んでませんでした」
「注意事項に〇〇と書いてあったようですが、私は全く確認していませんでした。だから知りません。無効です」
などといった言い訳は、ビジネスの場では通用しません。
そのように考えると有償依頼は軽い気持ちでおこなうものではなく、慎重に慎重に進めるべきものである、とご理解いただけるのではないでしょうか。
確実に依頼をするため、円滑に取引を進めるために相手のことはよく調べましょう。
2.文章を用意する
相手の情報を調べ依頼の相談をすることに決めたのなら、次はDMやメールで送る文章を作ります。
この文章があまりにも酷いと、ご存知ない方も多いかと思いますが実は絵描きも喜怒哀楽の感情がある人間ですので、返信する気にすらならなくなってしまいがちです。
『拝啓〇〇様〜』
などと、本当のビジネスメールのような堅苦しい長文を書く必要は全くありません。
というかそのような文章は『文章を読む為の対応コスト』が高くなってしまい、それはそれで相手に迷惑をかけてしまいますのでやめましょう。
これはイラスト依頼をするときだけでなく、人付き合いをする上で必要な考えの一つだと思っているのですが、無闇矢鱈と『相手の時間を奪う行為』はしないよう心がけるべきです。時間とは、言い換えれば命そのものなのですから。
必要なことを必要な分だけ適切な形で伝えるのが大事です。
長ければ長いほど丁寧で親切で好印象、ではないのです。文章が無駄に長くて褒められるのは小学生の作文ぐらいのものです。
必要なことだけを書いて、不必要な文章・文字は極限まで削ってください。
そのためには文章を考え推敲する必要がありますね。慣れていなければそれなりに時間がかかるかもしれません。ネットで適切な言い回しを調べる必要もあるかも。辞書を引いて言葉の意味を調べる必要も出てくるかもしれません。面倒ですね。
ですが、その面倒なことを自分がこなすことで相手は時間を無駄にしなくて済むのです。
そうした相手に対する気遣いを『思いやり』と呼びます。
世にある、一見無駄に思える様々な作法やルールはそのような思いやりから生まれたものが多いです。
今は便利な世の中になっていて、そうした思いやりがない方でも思いやりがあるように見せかけられるようにと、コピーするだけで使えるような便利なテンプレートも沢山用意されていますので是非活用してください。
この記事にもテンプレートを用意しておきます。
文章はスマホのメモアプリなどに一度書き、しっかり確認して問題がなければそれをコピーして送るようにしましょう。
DM欄などで入力すると書いている途中で送ってしまったり、スクロールがしにくいので推敲をしなかったり、ついお友達にLINEメッセージを送るような感覚でポンポンと複数回に分けて送ってしまいがちです。
・挨拶がない
・誤字脱字が多い
・一つにまとめられるはずの文章を複数個に分けて送ってくる
このようなメッセージの送り方は間違いなく悪い印象を与えます。
申し訳ないのですが私はそれらに該当するご依頼には対応しない方針でおります。
ダメな例)
『こんばんは!
イラストの依頼はこちらでよろしかったでしょうか!?いきなりすみません!
もし宜しければ依頼をさせて頂きたく思います!』
『DM失礼します!イラスト依頼したいです!』
『DM失礼します。歌ってみたイラストの制作を依頼したいのですが、料金はどれぐらいになるでしょうか?』
『こんちにわ!アイコンイラストを書いて欲しいんですけど、行けますか?』
『予算は3000円ぐらいなら出せますwww』
『はじめまして!ツイートを見て飛んできました!見積もりをお願いしたいのですが大丈夫でしょうか?』
『IRIAMで配信をしようと思っていてその立ち絵を依頼したいのですが大丈夫でしょうか?』
『立ち絵に関してはオリジナルの絵を描いていただければどんな立ち絵でも大丈夫です!』
『(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”、DM失礼します、実はお願いがあって、DMさせていただいています』
こういうDMがよく送られてきますが、ダメな例です。見るだけで頭が痛くなります。
何がダメなのか、まともな思考力や常識がある方ならばすぐ分かるはずですが、もしも分からないようであればあなたはそれがない方です。
次の項目を読みながら考えてみてください。
3.連絡する
相手の情報やネットの情報などを元に文章を用意して、そうしてやっと連絡することが出来るようになります。
ここにテンプレートと説明を用意しておきますのでベースとして活用してください。
⚫︎テンプレート
DM失礼します。
〇〇をしております、〇〇と申します。
〇〇に使用するためのイラストをご依頼するために連絡させていただきました。
予算は〇〇円程、納期の希望は〇月あたりまでです。
ご検討よろしくお願い致します。
⚫︎テンプレート説明
a.DM失礼します。
挨拶。DMならDM失礼しますが一番汎用性が高く失礼がないと思います。
さらに丁寧な印象にしたいなら、はじめましても加えると良いです。
おはようございます・こんにちは・こんばんはの時間帯に合わせた挨拶は、関わりの無い相手にいきなり送るにしては馴れ馴れしすぎる印象があり、また相手がすぐにメッセージ確認出来る暇がある、と決めつけているようにも見えるので個人的には避けるべきだと思います。
b.〇〇をしております、〇〇と申します。
簡単な自己紹介。例えばイリアムでイリアムライバーをしている〇〇です、など。
VtuberやYouTuberなどの活動をしているならそれを伝え、そうした活動が特にないならアカウント名だけでも良いです。
自己紹介、名乗りなんて必要ですか?と言われそうですが、これが無いとどのような人物なのか調べるために相手のプロフやツイートを確認する手間が発生するのと、捨て垢から依頼をされているかのような感覚になってしまいあまり印象がよろしくありません。
c.〇〇に使用するためのイラストをご依頼するために連絡させていただきました。
イラストの概要。最低限、イラストの種類(アイコン、サムネ、ヘッダー)は必要です。
「依頼したいです、描いてほしいです」
だけは絶対にやめましょう。
自分は対応コストが高い人間ですと自己紹介しているようなものです。
こんな感じのイラストをという詳しい情報もあればさらに良いです。
相手は決まっていなくとも誰かには依頼をすると決めているなら、遅かれ早かれイラストの概要は文章にしてまとめるはずなので、それを併せて送ってください。
ただし絵描きによって独自の依頼用テンプレートがある場合が多いので、その後再度テンプレートに記載する必要が発生することもあります。
二度手間に感じるでしょうが必要な手間ですので、そこはご理解ください。
d.予算は〇〇円程、納期の希望は〇月あたりまでです。
予算と納期。低予算であったり、対応出来ないような納期のご依頼である場合は出来るだけ早い段階でお断りしたほうが互いのためになるので、この情報も付け加えるとスムーズです。
予算に関してですが、相手が料金表の掲示やskeb等のコミッションサイトの利用をしているならそこに記載されている金額が『一つの目安』となります。
大抵の絵描きがそのどちらかはおこなっていると思いますので、自分の予算と相手の料金が合うか確認しましょう。
例えばの話、skebリクエストを最低金額10000〜で募集しており実際その金額で大量にリクエストを受け納品している絵描きに対し、
「予算は2000円です」
と相談してしまうと、相手の絵描きは
「自分の絵が2000円程度の価値に見られてしまった……そんなレベルの低い絵を描いてるつもりはないんだけどな」
と、どうしても落ち込んでしまいます。
skebはクリエイター優位な条件が揃っているのが特徴のコミッションサイトで、そのためDMでの依頼よりかなり安く引き受けている、という方が大半です。
ですのでskebリクエストを最低10000円から受けている絵描きは、DMでの依頼はそれよりも高い金額でなければ受けてくれない、と思ってほぼ間違いありません。
またこのとき、絵描きが実際にその金額で依頼を受けているか、というのもポイントとなります。
skebリクエストを10000円で募集している絵描きがいたとして、必ずしもそれだけの価値がある絵を描ける絵描きだとは限りません。
その金額で募集をしているだけであって、実際その金額で誰一人依頼していない、というケースもよくあります。その場合10000円の価値があるとは言えませんね。
10000円の価値があると思ってるのは絵描き本人だけで本当は1000円程度の価値しかないかもしれません。1000円まで下げないとリクエストが来ないようなら、そういうことになります。
予算額を記載するとき『0〜10000』というような記載をされる方がよくいらっしゃいますが、0円で受けるわけがないので、『〜10000』だけで良いです。
それと、これもよくいらっしゃるのですが『相場』という言葉を使う方。恥をかく前にやめましょう。
イラストに相場というものは存在しません。
そんなものはございません。
検索したりすればどこかにはそんな、それっぽい情報が存在するかもしれませんね。
ですがそれは何の価値も意味もないくだらない情報です。
例えば『アイコンイラストの相場は3000〜5000円です』とかいう情報がどこかにあったとします。
そして、今あなたが依頼先として検討している絵描きが二人おり、それぞれAさんBさんとします。
⚫︎Aさん
・絵を描き始めて2ヶ月
・デジタル歴1週間
・有償依頼経験なし
・使用機材スマホ
・デジタルイラストの総制作枚数3枚
・アイコンイラスト1枚にかける時間約1時間
⚫︎Bさん
・絵を描き始めて2年
・デジタル歴1年10ヶ月
・有償依頼実績200件以上
・依頼の最低金額10000円から
・使用機材iPad、液タブ
・デジタルイラストの総制作枚数400枚
・アイコンイラスト1枚にかける時間約10時間
このようなプロフィールだとします。
では、この二人にアイコンイラストを依頼するとき、料金は同じになると思いますか?
相場として情報があった3000〜5000円で二人とも喜んで受けてくれるでしょうか?
おそらく、3000円で依頼すればAさんは飛び跳ねる程喜び、Bさんは凄く不快に感じると思います。
お分かりいただけたでしょうか。
相場が存在しない、意味がないというのはそういうことです。
SNSにはいわゆる神絵師から初心者趣味絵描きまで様々な絵描きがいます。一口に同じ絵描き、同じアイコンイラスト、と言ってもレベルには天と地程の差があったりします。
100円でも1件も依頼をもらえない絵描きもいれば、10万で山ほど依頼をもらっている絵描きもいるのです。
Aさんのような方が地球のどこかに10000人ぐらいポンと唐突に生まれ、その結果イラストの平均価格が多少下がったとしても、Aさんよりも遥かに素晴らしい絵を描く力があり実際に高額で依頼をもらえているBさんには全く、何の関係もない話なのです。
むしろ相対的にBさんの価値が上がりますね。
Aさんは3000円で依頼を受けてくれたんだから、Bさんも3000円で描くべきだ、10000円なんてぼったくりだ、などという馬鹿な話はありません。
それにもっというと仮に依頼の平均値が10000円として、「だから貴方に10000円で依頼します」
と言ってしまうと、貴方は平均レベルの、普通レベルの絵描きだと言っているのと同義となります。
基本的な考えとして、数ある絵描きの中からその相手を依頼先として選んだということは、その人が他の候補よりも画力などの面で優れている、と自分が判断したということですよね?
ならばその人は、少なくとも貴方にとっては他の候補者よりも実力のある絵描きということになります。
なら、その平均値とやらよりも高額でも当然だと考えるのが自然ではないでしょうか。
ちょっと脱線しますが、経験を積んだ絵描きが制作料金を上げるのは仕方ないことなのです。
何故なら、画力が向上するというのは同時に1枚を描く難易度が上がり制作時間が伸びることとイコールだったりするからです。
初心者のうちは、こだわろうにもどうこだわって良いか分からず、無自覚に『ものすごく適当で雑な絵』を描いているものです。ハッキリ言って子供の落書きです。
だから1枚30分とか1時間で描けたりします。
それが画力が上がって本格的な絵が描けるようになってしまうと例えば、
・構図、ポーズ
・コントラポスト
・コントラスト
・重心
・一切歪みのない美しい線の追求
・線の強弱、インク溜まり
・色彩心理
・視線誘導
・粗密
だの、気にしなければならないこと、こだわれる部分が数え切れない程出てきます。
こだわりだしたらいくら時間があっても足りません。
描けば描くほど慣れて筆(作業スピード)は速くなりますが、その代わり制作にかかる労力もどんどん増していくので、描くほど1枚にかかる時間が増える、というのはありがちな現象です。
実際私もイラストの単価こそ上がりましたが、制作コストも高くなっているので駆け出しの頃より時給は低いです。
こだわりをいくつか捨て時短をすることも出来はしますが、そこは駆け出しとはいえプロとしてのプライドがありますし、そもそも画力を上げて絵を極めたくて絵を仕事にしているので、あまり妥協はしたくありません。
料金が高い絵描きを見るとさぞ時給が高いのだろうな、と思われるでしょうが必ずしもそうではないとご理解ください。
話が逸れましたが結局、最終的には他人がどうとか相場がどうとかではなく、他の誰でもない『自分が』いくら相手に支払えるか、という自分の問題にはなります。
とはいえ絵を描いたこともない人が適切な料金を自分の感覚だけで導き出せるかというとそれは確かに難しい話ですね。
相場はありませんが一つ基準に出来る数字があって、それは『日本の最低賃金』です。
専業イラストレーターは仕事としてイラストを制作しているわけなので『最低でも』ですが、制作時間×最低賃金分の金額となるように相談すれば、予算が足りなかったとしてもそこまで失礼にはならないはずです。
※勿論、有名な絵描きの料金は最低賃金どころの話ではなく目玉が飛び出るような料金です。そもそもそのような相手には一個人が依頼する機会はほぼありませんが、もしもあったら注意してください。
ちなみにイラストの制作は、イラストの内容にもよりますが実力のあるプロでも1枚8〜20時間とかは普通にかかりますので、参考にしてください。
大まかな納期については、相手が依頼を沢山受けているような絵描きである場合は記載してあげたほうが親切です。
人気のある絵描きは数ヶ月先まで依頼の予定がギッチリ詰まっています。
実力のある人程待ち時間は長い、と思っていて間違いありません。
数ヶ月ぐらいは待つつもりで依頼しましょう。
待てない場合はスケジュールが空いている絵描きに頼むかもしくはお急ぎ料金を払うことで早めに描いてもらえることがあります。
このお急ぎ料金とは、
『スケジュールはもう数ヶ月先まで決まっていて余裕はないんだけど、多めに支払ってくれるならちょっと無理して隙間時間とかを使って頑張るよ』
みたいな感じのものです。
絵描きとしてはスケジュール的に厳しくなるのと、先に依頼をしてくれた人よりも優先して後から来た人のを描くことになってしまうため、基本的には無料でのお急ぎ対応というのはあまり受け付けられない、という事情があります。
「お急ぎ料金なしですぐに描けます」
「即日納品です」
とアピールしてくるのは、たまたまスケジュールに隙間が空いている人か、全然依頼をもらえず暇な人だけです。
私は絵描きになる前、クライアントとしてSNSアイコンなどを依頼したことが何度かありますが、丁寧さわ画力ではなく『安さと早さ』ばかりをアピールしてくるタイプの絵描きには依頼しないほうが良いです。
ささっと短時間で適当に描いた絵を納品されます(経験談)。
e.ご検討よろしくお願い致します。
文章を締めくくる言葉。これが無いとなんというか、
『いきなり近づいて自分の要求を言って去っていった人』
みたいな印象とでもいうか、悪い印象になりますので、何かしら用意してください。
【② 依頼募集の手順】
SNSやコミッションサイトに依頼を投稿する際のやり方です。
1.イラストの内容を決める
2.文章と資料を用意する
3.投稿する
1.イラストの内容を決める
まずは自分がどんなイラストを依頼したいのか、イメージをしっかり固めましょう。
絵描きは依頼内容を元にイラストを描くことしか出来ないので、ある程度お任せとするのはありですが、そもそも依頼者の中に何のイメージもなく漠然とし過ぎていては何も出来ません。
2.文章を用意する
DMやメールと同じくきちんとした言葉遣い、文章でなくてはなりません。
個人に対して送るものでは無いからという油断があるせいか、不適切な言葉遣いをしている方が散見されます。
公開しているSNSアカウントなど、不特定多数の方が見える場所に、依頼募集など他者への呼びかけを目的とする投稿をするわけなので、これはもう『独り言』ではなくて、対象とする方に語りかけているということになります。
イラスト依頼相手の募集の場合、絵描きに語りかけていることになります。
ハッシュタグを使っている場合などは特にそうです。そういう意味では個人にDMを送るのと違いはありません。
それなのにそれを意識せずに投稿をしてしまっては最低限の常識がない方と認識され、依頼に飢えている実力のない絵描きぐらいしか声をかけてくれなくなります。
ダメな例)
「〇〇のイラストが欲しいんだけど、誰か描いてくれないかな??」
→敬語を使うべき場面で使えない方は有償の取引相手として論外です。
「〇〇のイラストを描いてくれる者を募集するのじゃ!!」
→Vtuberの方にありがちな、キャラ作りの口調のままの投稿。流石にDM等ではまともな口調になると思いたいですが、これも常識が無さそうな印象を与えます。
「書いてくれる人募集」
「作ってくれる人募集」
→細かいのですが、イラストは『書く』ではなく『描く』です。このミスとイラストを『作る』という表現をする方は、イラストを描く労力を理解していないという印象を絵描きに与えます。
「無償で描いてくれる人募集」
→実際、無償で描いてくれる人もたまにいますが、なにしろ0円で依頼を受けている方のクオリティですのでおすすめは出来ません。
「なるべく安く描いて欲しいです」
→安さだけをウリにしている絵描きしか来ません。
「学生なので無償もしくは安めでお願いします」
→絵描きには貴方が学生かどうか、ということは関係がなく確かめる術もないため、学生だから特別に安く描きましょう、なんてことにはなりません。
全ての方ではありませんが、やはり学生の方は予算が少なくまたトラブルの可能性も高いため、学生だというだけでも経験豊富な絵描きからはスルー対象と見做されがちです。
「初めてなのでご迷惑をおかけすると思いますが」
→自身が相手に迷惑をかける可能性があると認識しているのであれば、そうならないように下調べなどの努力はするべきです。初めてだから相手にいくら迷惑をかけても良い、迷惑をかけて当たり前だ仕方ない、というような思考は捨ててください。
「優しい方を募集します」
→これを記載している方は過度なリテイク指示や低予算など条件の悪い依頼者であるという印象を与えます。
「長く付き合ってくれる方を募集します」
→状況にもよりますが、基本的に絵描きにとって依頼者は数ある依頼者の内の1人に過ぎません。
依頼絵を納品し終えたのなら、再度依頼の相談が無ければもう関わることは無くなってしまう関係性です。
長い付き合いを要求する文面があると、取引が終わった後もリテイクの要求をしてきたりする可能性がありそう、対応コストが高そうという印象を与えます。
「専属絵師を募集します」
→おそらく、なんとなく『専属』という言葉と『専属絵師がいてそれを従えている自分』がカッコいいと思って使っていると思うのですが、専属という言葉の意味を理解している方は専属という言葉を使いません。
アニメーターの話ですが、有能なアニメーターを自社だけのためだけに働かせるための拘束というものがあり、そのために毎月『拘束料』が数万〜数十万給料とは別に支払われます。給料とは別にです。
イラストレーターを専属にしたいのであれば、イラストを依頼する依頼料とは別に、
『相手を自分の専属絵師としているということ』
ただそれだけのことに対して毎月数万〜数十万の対価を支払わなくてはなりません。
赤の他人、しかも絵を描くという特別な技能を持つ人間の人生・行動を大きく制限しようというのだから、それぐらいは当たり前のことです。
勿論そんな報酬を用意出来るのは企業やかなりのお金持ちぐらいで、とてもではないですがそこらの個人が支払えるものではありません。
専属絵師とその専属先の方をよくSNSで見かけますがあれは言ってしまえば、
『イラストレーターごっこ』
『イラストレーターを雇っている企業ごっこ』
をして遊んでいる状態であって、そう見ると無邪気な子供のようで少し微笑ましくはあるのですが、本物のイラストレーターをごっこ遊びに付き合わせようとしては叱られてしまいます。
ちゃんとしたイラストレーターが〇〇の専属です、とか名乗ってる場面なんて見たことないですよね?
私は一度もありません。
「専属になってください、毎月依頼するので普通より安く描いてください」
と言われたことがあり、無償で専属絵師になってくださいと言わないだけまだいくらかマシな方だとは思いますが、拘束料が無くしかもイラストの料金も通常より安くなる、拘束されることにより自由に仕事が出来なくなると踏んだり蹴ったりですので、検討にも値しません。
無知で失礼な人間、と認識されたくないのであれば専属という言葉は使わないことをおすすめします。
「初心者でもプロでも大丈夫です」
→クオリティにはこだわっておらず安さを重視しているのが分かり、また初心者と同列に扱われたく無いため、プロからはスルーされ初心者しか声をかけてこなくなります。
「立ち絵?一枚絵??分からないけど、イラスト描いてくれる人募集します!!」
→?と!を多用している方は、知的ではなく対応コストが高いという印象を与えます。
「即日納品してくれる方を募集します」
→①の項目にも書きましたが、絵は描くのに時間がかかるものですし、実力がある絵描きは基本的にスケジュールが埋まっており即日対応はあまり出来ません。
実力のない絵描きが1日未満で描いた絵はろくなものではありません。
「このイラストみたいなのを描いてくれる方を募集します」
→ネットで拾ったイラストなどを投稿してしまっているパターン。
よく見かけますが、フリー素材などでなければアウトなのでやめましょう。
「気軽にお声がけください」
→丁寧なようですが、実は失礼な印象を与えます。
例えばの話ですが、貴方の目の前にフォロワー100万人ぐらいの超有名人が居たとして、その人に対して
「私には気軽に話しかけてくれても良いですよ」
と、言いますか?もし言ったのなら『貴方は何様ですか』と思われてしまいますよね。
それと同じです。
この言葉を使う方は無自覚だと思いますが、
『私は絵描きにイラストをしてやるお客様だぞ』
という思考になってしまっている方が多い印象があります。
貴方がもしSNS上で有名なインフルエンサーだったりするならば、相手が躊躇ってしまわないようにという配慮としてそのように記載をするのはありだと思いますが、そうでないならば必要ありません。
「是非描きたいという方を募集します」
「我こそは!という方を募集します」
→やる気があるというアピールがきちんと出来た子にだけ依頼します、と言わんばかりの文章が悪印象を与えますし、これ系の文章を書く人は『依頼をしてやっている』という思考でいるため、大抵低予算でかつ要求が多いです。
3.投稿する
まともな文章が書けたら投稿してください。
連投や引用ポストなどをすると他者の迷惑になるのでやめましょう。
⚫︎テンプレート
〇〇に使用するための〇〇イラストを描いてくださる方を募集します。
商用利用はせず、個人利用のためにのみ使用します。
〇〇塗りなど、〇〇な絵柄が好みです。
予算額は〜〇〇〇〇円、希望納期は〇〇までです。
DMではなくリプにてサンプル等を提示してください。
気になる方にこちらから連絡させていただきます。
ご提案お待ちしております。よろしくお願い致します。
【③まとめ】
イラスト有償依頼はお金が絡む個人同士の取引ですので、正しいやり方を学び慎重に進めなければ高確率でトラブルが発生します。
この記事のようにネット上には様々な情報がありますので、きちんと調べてから行動するようにしましょう。
skebはそのあたりであまり悩まず気軽にリクエストが出来ますので(あくまでリクエストであり依頼では無いので注意)、skebの利用も検討してみてください。
【DMの送り方について】
【詐欺について】
【制作料金の考え方】