得ざるものども
怒りも悲しみも絶望も、余さず残さず呑み込んでゆけ
世界中を巻き込んだ大戦争の最中に発生した原因不明の異常気象により甚大な被害を負った人類。
それから百年余り経った現在、各地の肥沃な土地に築かれた都市を中心に寄り集まる人々は、大飢饉の爪痕が残る時代を手を取り合って生きていた。
……少なくとも表層だけは。
イブレガーロ連盟主要都市のひとつフェガティアで、とある新興製菓事業に携わるフリアン・カレスティア。
連盟南端の村セバ出身の下級市民である彼の夢は、「清く正しい為政者となること」である。そう語る度に馬鹿にされて笑われるが、彼は決して諦めることなど知らなのである。
しかし、都市合同懇親会の場で出会ったルドヴィック・ドゥリオルグという男は、笑うどころか何の感情も無く「くだらねぇ」と一蹴するのみ。
フリアンは思わず激怒してしまい、『鱗憑き』と呼ばれ忌み嫌われるその男とよからぬ因縁を持ってしまう。
しかし、ここから始まった険悪で奇妙な関係は、フェガティア全体を波乱の渦に巻き込む大騒動を引き起こすのであった。
※作中に差別、暴力、その他現代の価値観に照らすと不適切な表現が含まれます。
それから百年余り経った現在、各地の肥沃な土地に築かれた都市を中心に寄り集まる人々は、大飢饉の爪痕が残る時代を手を取り合って生きていた。
……少なくとも表層だけは。
イブレガーロ連盟主要都市のひとつフェガティアで、とある新興製菓事業に携わるフリアン・カレスティア。
連盟南端の村セバ出身の下級市民である彼の夢は、「清く正しい為政者となること」である。そう語る度に馬鹿にされて笑われるが、彼は決して諦めることなど知らなのである。
しかし、都市合同懇親会の場で出会ったルドヴィック・ドゥリオルグという男は、笑うどころか何の感情も無く「くだらねぇ」と一蹴するのみ。
フリアンは思わず激怒してしまい、『鱗憑き』と呼ばれ忌み嫌われるその男とよからぬ因縁を持ってしまう。
しかし、ここから始まった険悪で奇妙な関係は、フェガティア全体を波乱の渦に巻き込む大騒動を引き起こすのであった。
※作中に差別、暴力、その他現代の価値観に照らすと不適切な表現が含まれます。