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白川 譽
炎天下轢かれてしまったアブラゼミ君の分まで生きてあげよう
いのちの木てっぺんに生る胡桃の実殻越しに嗅ぐシナプスのにおい
押入れで猫型ロボットスリープ中満月の夜に夢を見るのか?
青い空緑の草木白い雲黒肌撫でる赤い夕焼け
寒し夜に宇宙海賊気配アリラジオをつけて続報をマテ
木漏れ日を仰げば泳ぐ白い旗腕の伸び先青天井
手を食んだステンレス剛ぬらめいてあたしいばら姫死因セロテープ
夢潜る我が子の貌を盗み撮る涎滴る餅ごこちの頬
頑固者いじっぱりかつ神経質なのに丸字なあなたが好きで
接客は心が大事と言うけれどロボットコアも熱々だから
また三歩先ゆく君が眩しくていつしか影を踏めなくなった
「間に合え!」と全力疾走あと6歩乾いた口に生なだれ込む
夕日かなぷうと膨れた赤りんごぽと溢れ落つびーどろ細工
持ち方が誤ったままのシャーペンシル濃い筆圧でにじむ小論
雨蛙雨ニモ負ケズ練習かど根性の合唱サークル
返信に間髪入れず打ち込んだ「待ってる」ともにマグの絵文字を
6時間白雲シネマ上映中多弁スマホがうんともすんとも
打ち寄せるデスクトップのPDFふと手に取って遠く放って
真っ新な雪原の上真っ先にマイバースデイ墨汁で掘った
「愛してる」素直に言えないだからこそ想いをえいと絵文字に載せて
水埜青磁
短歌連作「error」
スライムを首根っこあて涼む夜39℃か教会がこい
葦の子や惑えや惑えこの惑の中信念という灯火を手に
きみの歩を追い越すようにまた一歩待ちつ待たれつ夢路踏む
姫りんご膨れて熟れて冬が来てぎゅっと抱きしめて実落つる前に
萌きゅんは美味しくなーれのおまじないいただきますもそうなんじゃない
FA|月をくれた
クリオネは花咲かすとき笑ふてるロマンティックなぽっぽっぽ
炭酸マグレ茶さん短歌
喜ばすためにお鼻が長いのね瞳潤むるアユタヤの賢者
凪いだ湖を月歩す船に心預けて4分半のちいさな世界
今ここで十の私へ問うてみよ疾うの昔にひっこんだ青
シロフォンの童子手招くおしゃま声オープンザドアーヘブンはありて
「ごめんね」の声よか聞かせて「ありがとう」まだそう言える関係じゃなく
母親がううん母ちゃんが濡れ手でポテトサラダに甘夏入れた
頭垂れ武者ぶるう指は突き出た5来た道戻る腕が重いよ
むにむにのまあるくやわい姫りんご あ、小枝の先がつまみ返した
天の川五線譜なりて新譜奏でる割れんばかりに再演を待て